No.251 4月号編集後記

 本号からDAISY版も作りました。選択の幅を広げ多くの方に読んでいただきたいと6媒体にしました。内容も本誌ならではの誌面づくりを目指して参ります。私たち視覚障害者の基本は点字と教育です。点字離れや盲学校離れを防ぐのは関係者に課せられた義務であり責任です。今回から7回にわたり点字の市民権問題を取り上げ、視覚障害者の生活をどう変えてきたかを検証していきたいと思います。また5回連載でイタリア・フランスの視覚障害関連施設の見聞記を紹介し、日本の特別支援教育のあるべき姿を考えていかれればと願っております。
 さて、1949年に視覚障害者の大学進学が認められてから60年になります。諸先輩のひたむきな努力で実現し、全日制では同志社大が点字入試を実施、それにパスしたのが今は亡き永井昌彦さんです。私はその6年後の1954年進学しましたが、当時点字入試はおろか受験を認めている大学は11校でした。学習環境が皆無の上、送り出す盲学校の大半は冷ややかでした。涙ぐましい努力をして卒業しても「盲大生よ、どこへいく」などという揶揄もあり、私も就職浪人を2年しましたし、数年間は進学も2、3人と悲惨でした。盲学校には進学を勧めてくれるように依頼し、職域拡大と門戸開放・学習環境整備などで国・行政・大学・社会に訴える署名活動と視覚障害者の進学希望・合格・就職などの調査を毎年行ない、それをマスコミにも持ち込んだものです。時代の趨勢と少子化で進学も自己推薦で入れるようになりました。しかしプライバシーとか個人情報保護とかで一切の調査はここ数年行なわれていません。視覚障害者の高等教育や職域拡大の未来はこれで予測できるのでしょうか。(編集長 高橋 実)

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