No.257 10月号編集後記

 視覚障害の小山田みきさん(31)が10月18日の大阪市職員保育士採用試験に点字で受験するそうです。大阪市子ども青少年局企画部の話では「22年度は大卒者若干名、短大5名を採用。昨年の応募は大卒10倍、短大数倍の狭き門。試験は一般教養2時間、論文1時間、点字の時間配慮はあるでしょう」とのこと。小山田さんは大分盲から京都の華頂短大幼児教育学科で保育資格をとり、2001年秋から大阪市の私立四天王寺夕陽丘保育園に勤めています。6年前と昨年、公的試験を受けたいと市に問い合わせると「視覚障害者の働く場は無い」と断られており、今年は市長に点字受験を求める嘆願書を出しました。点毎によると、平松邦夫市長は7月30日「受験資格をきちんと持つ人に受験の道が無かったのは反省しなければならない」と謝罪したそうです。たまたま雇用連(全国視覚障害者雇用促進連絡会)の結成30周年記念行事の案内を手にした折で、大阪市の対応に腹立たしく思いました。
 1961年文月会(日本盲人福祉研究会)を作り、大学の門戸開放などに取り組む中で、「全ては職域の拡大なくして解決しない」と雇用問題に限った共闘組織の立ち上げを既存の団体などに提案。日盲連からは断られましたが、足腰の強い全視協と神奈川の守る会とで雇用連を結成、画期的な成果を納めました。当初「視覚障害者に適した職場は無い」と言われ通しで空しさと怒りをかみ締めながら運動を継続。既に死語だと思っていた言葉が雇用運動発祥の地・大阪で抜け抜けと生きていたことに驚き、まだまだ当事者が声を挙げ行動しなければ道は開かないのだと改めて感じました。
 今年は視覚障害者の大学門戸開放60年。関係者の叡智を結集し視覚障害者の生活と暮らしの改善に努力しなければと思います。(編集長 高橋 実)

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