No.259 12月号編集後記

 当センターの目的の1つに若い視覚障害者の支援活動があります。チャレンジ賞とサフラン賞の創設もそうです。第7回はチャレンジ賞に伊藤丈人さん(31)、サフラン賞に大日方久美子さん(35)が受賞し、去る11月14日贈呈式を行ないました。
 伊藤さんは青山学院大国際政治経済学部非常勤講師で、この3月同大から国際政治学の博士号を取得。全盲で政治学の博士号を受けた例はないそうです。大日方さんは読売新聞東京本社環境厚生部リフレッシュルームのヘルスキーパー歴15年。4歳半と1歳半の女児のお母さんで仕事と家庭を両立させています。
 研究者の道に進んだ人は、今も20人近い仲間が目を見張る活躍をしております。特にこの分野は社会的資源である目を活用しなければならない部分が多いのです。伊藤さんも周辺の目を借りながら新しい分野に進まれることを期待しています。また、三療は視覚障害者の職業として伝統と実績を持ちながら晴眼者の進出と無免許者の横行で生活が脅かされていると言われます。その中で大日方さんの職業であるヘルスキーパーは安定した分野だそうで、これを機に個人開業を含めて安心できる業界を作っていく努力をしたいものです。
 同日開催しました若い音楽家の社会参加促進事業「競い合い、助け合う コンサート2009――羽ばたけ視覚障害音楽家たち」では、鹿児島盲卒で和製スティービー・ワンダーと言われている木下航志さん始め、京都の楊雪元、富山のYOUTA、京都の珍獣王国、名古屋の金沢栄東さんら、新進気鋭のアーティストが、存分にチャレンジできるチャンスを1日の先輩として作っていかなければならないと改めて感じた1日でした。(編集長 高橋 実)

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