No.260 1月号編集後記

 初春のお慶びを申し上げます。昨年12月、都内で筑波大附属視覚特別支援学校同窓会主催の「第1回あはきシンポジウム」が開かれ、私も勉強のために参加させていただきました。前半は笹川吉彦日盲連会長の記念講演、後半は「あはき再生なくして自立なし――点検・臨床実習から卒後研修まで」のテーマでパネルディスカッションが行なわれました。
 笹川氏は、あはき活性化のための重点課題として3点を挙げられました。タイスパセラピーの拡大や無資格者の横行への適切な対策の実施。あはき自営業者への支援策確立と視覚障害者雇用率の明確化。そして最近の中途視覚障害者のあはき業離れへの検討です。あはき業界で視覚障害者の占める割合は晴眼業者の勢いに押され25%を切り、国立塩原視力障害センターも入所者減少などで2年後には閉鎖されます。石川倉次が盲学校生徒と日本点字を作ったように、当事者が団結し「あはき業」を守り次世代へ残す努力をすべきだと熱く話されました。
 パネリストの藤井亮輔筑波技大准教授は、あはき業界の競争激化で晴眼業者も数的には厳しい状況にあると触れ、視覚障害業者全体の底上げには「教員養成」「意識改革」「無資格者の取締」「医療制度改革」をキーワードとする総合的な取り組みが必要だと指摘されました。会場からは「理療を自ら選んで就く魅力ある職業にするためには、教員の資質と臨床力向上を図る研修や卒後研修の場の充実が必須」との意見も出ました。
 シンポジウムの活発な討議に接し、どの分野でも優れた技術だけでなく「それで自分が生きている」という意識と誇りを持つことが重要だと改めて感じました。今年は杉山和一生誕400年、「あはき」の年です。あはき、教育、就労、制度改革を始め今日的情報や研究を、本誌もしっかりお伝えしたいと思います。(本誌 橋本 京子)

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