No.274 3月号編集後記

 先頃、仲間内から「点字の名刺作りをしたい。どこのものがいいの」という電話があり「センターも最初は簡易印刷機を使用したが今は亜鉛版印刷」と答えました。それほどに点字の名刺を作るところが増えているのでしょう。点字入り名刺を持つ人も多くなり、私たちにとっては嬉しくありがたいことです。珍しい名前や仕事、特に複数の人と対応するときなどは点字を指で確認できるからです。
 ただ、情報をたくさん入れようとしてか、レイアウトどころか中には1行マスあけ無しなど表記を無視したものも増えてきました。「わかることが先決で、たかが名刺の点字ぐらいで」と考える人もいるかもしれません。盲学校や盲人施設の人などから、触るに堪えられない点字入り名刺を手渡されると不愉快になるのは私だけでしょうか。大袈裟かも知れませんが、点字の愛用者にとっては初めてお目に掛かる人の顔や人となりが重なり合うからです。名刺の点字も読みやすい綺麗な点で情報の優先順位をつけて作ってほしいものです。

 次に、センターではエンボス点字地図『基本地図帳』に続いて第2作目『鉄道手帳』(全5巻3万円)を製作しました。
 今回も助成を受けて盲学校68校と点字図書館83館に「必要の有無」を聞きました。結果は盲学校「要る59」「不要3」「無回答6」、図書館「要る66」「不要5」「無回答12」。
 合わせて26セット(17%)の善意を無駄にしなくて良かったと考えるべきなのでしょうか。盲学校は点字教育と触覚教育の一助として活用しようとは思われないのか、図書館は点字情報の媒体を増やそうとは思われないのか。「サピエや館館協力があるから嵩高い点字本はいらない」。識者が点字離れや点字軽視に繋がるような考えだけは持ってほしくない。生活文字である点字を継承する努力は当たり前という環境を願うものです。(編集長 高橋 実)

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