No.277 6月号編集後記

 先頃、第10回関東地区点字研究会で「点字と私」というテーマの講演をする羽目になりました。普段「点字大好き人間」と言っているものですから、身から出た錆でしょう。
 私は俗に言う点キチでも理論家でもありません。ただ、点字にこだわっている実践者です。「視覚障害者の生活文字である点字を晴盲共通の文化として継承していくこと」をモットーにしているだけです。
 そのためには、書きよい、読みよい、分かりよい正しい点字でなければならないと「点字技能師制度」を提唱しました。昨春も本欄で「3桁の受験者を集めるために箔と魅力を持たせる努力を」と書きましたが、昨秋の試験でも結果は出ていません。
 制度の創設は点字の専門性と質の向上を図るとともに社会的認知度を高め、広げることでした。ですから、いずれ触れますが選挙公報や教科書、公的印刷物などを製作する施設には「要点字技能師」などといった取り組みをすることが急務です。情報提供施設は「(ベストセラーの話題を聞く度に……)点字を覚えて少しは読書の喜びを取り戻しましたが、なかなか読みたい本は点訳されない」(『点字毎日』5月22日)という事実を無視して「音声が断トツで点字離れは進んでいる」と安易な方法に一直線。有能な高レベルの点訳者作りと優秀な校正者作りのためにも関係者は点字技能師にチャレンジする環境を作る知恵と汗を出して欲しいものです。今後のために第1回から第11回までの受験者数、点字合格者数、墨字合格者数、合格率(%)、最後に合計を記します。
 @577、10、11、3.6、A144、15、15、20.8、B109、6、18、22.0、C86、11、18、33.7、D84、16、20、42.9、E57、11、7、31.5、F58、4、13、29.3、G50、3、12、30.0、H73、13、10、31.5、I75、8、7、20.0、J80、6、10、20.0、合計1393、103、141(点墨合計244)、17.5。 (編集長高橋 実)

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