No.282 11月号編集後記


 私の若かりし頃は歩行訓練などありませんでしたから歩行は我流でした。
 上京し通学していた4年間に、水道橋、四ツ谷、三鷹で1回ずつホームから転落した不注意な経験があります。以前から駅のホームは「欄干のない橋」と言われます。故郷の北海道の農村には欄干のない橋が大小多々あり、幼い頃はリアカーを引き盲滅法(差別語?)走り回っていましたからリアカーごと落ちて叱られたり、「後ろに実さんがおらず戻ったら橋の下で慌てふためいていた」ことなどは日常でした。今は晴盲関係なく転落事故が増え、今年は昨年より増えているそうです。

  本論です。私は大学を出てから全く一人歩きをしていませんので駅の案内放送など殆ど聞きません。ところが今春関西に新幹線で出かけ新大阪の在来線ホームで乗り換えようと待っていましたら、「電車が入ります。危ないですから黄色い点字ブロックまでお下がりください」と聞き一瞬耳を疑いました。
 旅行中に利用した大阪、塚本、京都等の自動案内もそうでした。当センター最寄りのJR荻窪駅では「危ないですから黄色い線までお下がりください」で「点字ブロック」の文言はありません。J R西日本お客様センターに聞きましたら、「J R西日本のホームでの自動案内はその通りです。現在のところ他の鉄道会社には呼びかけていません」という返事でした。確かにJ R東海お客様センター(新大阪)は「危ないですから安全柵の内側までお下がりください、と自動音声で案内しております」との回答。
 視覚障害者に限らず誰しもが、安心で安全な駅のホームを望みますが高額の費用が必要です。それまででも「黄色い点字ブロックまで」と言い換えてほしいものです。それによって「点字ブロック」への理解と「点字」の普及啓発に役立つこと間違いなしです。「点字ブロック」は商品名だからと二の足を踏んでいるのでしたら発想の転換を望みます。 (編集長 高橋 実)

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