No.284 1月号編集後記

 謹んで新春をお慶び申し上げます。
 当センターはきたる7月開設25周年を迎えます。これを記念して「視覚障害者の国家公務員・地方公務員・教員の採用状況とその配属先の全国調査」を行ない年末には報告書を作るという大事な事業とも取り組みます。
 先頃人事院の方が来られ「試験区分が変わることで点字受験者に配慮した出題を考えていかなければ……」と話しておられました。国家公務員などに関わることは私が進学した1954年既に課題になっており実現に向けて取り組んでいました。その中で72年東京都の地方公務員で、81年司法試験と大阪府普通学校の教員採用でそれぞれ合格者を出し、91年やっと国家公務員の点字受験を認めさせました。それが21年経ってT種に14人しか受験せず合格0。U種に33人が受験して未だに1人のみの合格は私にとって寂しい限りです。
 今世紀に入り個人情報保護という壁で進学者数はわかりませんが、奨学金の公募数からみて、毎年30人以上は大学生になっています。乱暴な言い方ですが意欲と学力の無さだと思わざるを得ません。
 90年代センターは『点字による国家公務員試験が実現するまで』『広げよう公務員への道―全国点字試験実態調査と視覚障害公務員10人の事例集』『なぜ広がらない?! 公務員への道』などといった図書を出し、当事者の奮起を促すとともに、91年〜02年まで国家公務員・地方公務員・教職採用などの試験問題集を採算度外視で数多く出版しました。
 一方国に対しては「職域支援の一環として2施設に製作委託している点字図書の中にこの種の本を組み入れるよう」訴え続けましたが聞く耳を持たず。私も背に腹は変えられないとして取りやめました。
 時を同じくしてこの種へのチャレンジャーは激減しているわけです。今回の調査が若い視覚障害者の夢を膨らませることに繋がることを願って今年も努力してまいります。 (編集長 高橋 実)

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