No.285 2月号編集後記

 政局絡みで年内の総選挙の有無が取り沙汰されています。点字出版に関わる者として注視せざるを得ない一方、確実に実施される地方選に対しての選挙情報支援プロジェクトや点字出版部会の動向が全く聞こえてこないことに一抹の不安を感じます。

 昨春総務省は「都道府県知事選や政令指定都市の市長選でも選挙のお知らせ全訳版を出すことが望ましい」と地方選管に指示しています。今年は知事7県と政令市1市で地方選があります。2月5日の京都市はお膝元の京都ライトハウスが取り組むのだろうと思い、部会長の田中さんに確認しました。しかし、3月25日の熊本を皮切りに鹿児島・山口・新潟・富山・岡山・栃木(任期満了順)の知事選は、どのような状況なのでしょうか。これほど財政が逼迫していますと、腰を据えて選管と粘り強く話し合わなければ全訳版製作の流れがダイジェスト版ないしは当事者のニーズがなく、その上時間がないなどの口実を選管に与えてしまう恐れもあります。
 参考までに昨年7月の埼玉県知事選のことを書き添えます。どこからも情報がなかったため、首都圏なので作業がしやすいと思い、「点字全訳版を出して欲しい。製作を当センターに」と県選管に申し入れましたが、告示近くの3回目の電話でその主は気まずそうに「じゃあ見積合わせを」とポツリ。今さらと腹も立ちましたが「全訳版を出させることが先決で、ここでは競争はしない」と抗議しませんでした。点字出版部会では「仲間内で足の引っ張り合いはやめよう」とか「価格破壊は慎もう」とか言われ「申し合わせ事項」まで出されるほどに厳しい状況です。国政選挙はともかく、これからは地方選の対応次第です。プロジェクトの構成団体にはそれなりの費用を払っています。その名の通り「視覚障害者選挙情報支援」を第一義とし、「埼玉県」のような例が続かないようにしていただきたいものです。 (編集長 高橋 実)

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