No.288 5月号編集後記

 人事院は平成24年度からの国家公務員採用試験を従来のI種、II種試験を廃止して、総合職と一般職試験に再編する区分の見直しをしました。それに伴い点字試験の実施区分についても改めました。
 総合職試験(大卒程度)「法律」区分と一般職試験(大卒程度)「行政」区分になりました。試験時間はこれまでの1.33倍から1.5倍に延びましたが、年齢制限は全体が33歳から30歳に狭まりました。
 24年度の願書締め切りは4月9日と19日でしたが、点字受験者は今回もありませんでした。

 当センターの母体でもあった文月会が取り組んだ、公的試験に点字導入を求める運動の中でも国家公務員試験は長丁場でした。70年代から80年代にかけて5回行なった国会請願署名にも盛り込みましたし、再々交渉で出掛けた霞が関で「いつもご苦労様です」と労ってくれたのは人事院の守衛さんだけでした。国会でも全野党議員の熱意には感謝したものです。80年3月11日の参院予算委を皮切りに91年の実施まで11回も首相、大臣、人事院総裁らに「点字受験を認めよ」と詰め寄ってくれました。参院の社労委5回、同予算委3回、同内閣委1回、衆院本会議と特別委各1回です。91年4月9日の参院文教委で「1.5倍が普通なのに国家公務員はなぜ1.33倍か」と質したのに対し、「受験者の肉体的、精神的、疲労度などを勘案して」と答えてから23年目にやっと見直されたわけです。「心理職など選択分野を広げる」「点字と音声の併用」など改善点は沢山あります。

 それにしても22年間でI種、II種合わせて受験者47人で合格者1人というのはこの実現に関わった者として複雑な思いです。センターの延長線上で立ち上げた「チャレンジ」も制度の変更までは職員を含めて6人が地方公務員や教師になっています。やはり気力と学力があったとしても背中を押してあげなければチャレンジャーは増えないと思います。(編集長 高橋 実)

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