No.299 4月号編集後記

 本号から「昭和・平成 視覚障害先輩の生き方」を連載します。
 2003年11月号で「文化の泉守った人」として日点の創設者、故・本間一夫氏を取り上げ、前号の長尾榮一氏まで90人の大先輩を「先達に学び業績を知る」というテーマで紹介しました。これからは私たちにより身近な先輩の生きざまを生のまま伝える努力をしますのでご期待ください。

 次はその先輩にいずれなる盲大生のことです。私が力を入れてきた事業に盲大生奨学金制度の拡充がありますが、これが瓦解しかねないという不安を持っています。
 現在センターは「聖明・朝日」と「みずほ」「メイスン」の3団体に奨学生を推薦しています。聖明・朝日奨学生は卒業半年後から返済しなければなりません。月額3万円で使途の制約はありません。「奨学金制度創設40年の歩み」(2010年5月)で先輩たちは「学業に生活費に役立ち助かった」と感謝の意を述べています。しかし返済対象者40人中10人は全額の144万円が未返済ということで、主催者の聖明福祉協会理事長・本間昭雄氏は頭を痛めています。
 一方みずほとメイスンは年額30万円で返済義務はありませんが、点訳に限られています。みずほは点訳のほか点字データ、テープにも使える配慮をしましたが、今年卒業した7人中3人が全額、1人が4分の3、1人が半額程度を財団に返金しました。財団は奨学生に聞き取り調査を行ない「入学前はテキストやプリントを点字にしてもらわなければと応募したが、学校からデータで貰えるから依頼しなかった」というような回答もあったそうです。理由は明らかにされていませんが、今年の公募は休止されました。財団がどのような結論を出すのか注目しています。

(編集長 高橋 実)

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