No.301 6月号編集後記

  『点毎』5月19日号の「点字にこだわる ――日本点字普及協会」を読んで、改めて責任の重大さを思い知らされました。よく点字は読みよく書きよく分かりよくと言われます。そのための方法や機器の提供、開発の要望も欠かすことのできない仕事です。古い話になりますが、私が小学部時代、先輩たちに読まされていたのでしょう、インターポイントの『点毎』よりはインターラインの『点字読売』(1946年3月3日廃刊)の方が読みやすかったように思います。

 また小学部1年では点字の読み書きに点もちょっと大きく点間・マス間・行間の広い1行26マスの点字器を使っていて、2年生の頃から標準型の1行32マスを使っての学習でした。ただ先輩に「紙の節約と早書き早読みにはこれが1番だ」と1行37マスや42マスの点字器を見せつけられ、慌てふためいたこともありました。特に読みの導入では個々に点の大きさや点間・マス間・行間も配慮すべきだと学びました。点字機器のメッカとして評判の高かったN点字製作所が採算割れで店じまいをしましたが、1940年代頃まで値段や使い勝手はともかくとして点字器や点字タイプは結構見聞きしたものです。

  お断りするまでもなく私は社会福祉法人視覚障害者支援総合センターの理事長で、諸般の事情で対外的な役員の再任を全て辞退しつつあったときに、「NPO法人日本点字普及協会理事長就任要請」は正直困りました。しかし、点字大好き人間で点字にこだわり、採算を度外視して点字本を製作しているのですから、発足が分かればもちろん入会しました。私は点毎在職中よく「『点毎』を読まない盲人は盲人でない」と豪語したものです。盲人である以上生活文字、点字の読み書きくらいは最低限できるようにしておくべきです。

(編集長 高橋 実)

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