No.303 8月号編集後記

 去る7月6日、都内で第45期生聖明・朝日盲大学生奨学金貸与式(表紙写真)が行なわれました。
 新奨学生に必ず私は「卒業半年後から返済できる職業に就けるよう努力してください」とお願いをします。私は高校・大学と育英会(現・日本学生支援機構)の奨学金を受けていて、就職浪人2年で催促もされ後悔しました。聖明福祉協会の本間理事長の話では「延べ198人の奨学生のうち11人が現役、145人が完済、全額(144万円)10人を含めて42人が未返済で、資金不足になるのでは」と頭を痛めていました。
 支援機構でも滞納者が増えているそうです。メイスンでは単年度事業で、定員10人に今回は13人の応募でした。今年公募休止のみずほ同様、年額30万円で返済不要、点字使用者が対象です。みずほは学生の希望に沿いデータと音声提供にも幅を広げました。これまでに145人に支給され、2006年1人、2008年からの4人(全額)を含め、25人の残金をセンターからみずほに返金していることなどもあって、分析しているのだと思います。
 育英会にも盲大学生会から「盲人を優先選考するよう」要望書を出して認められていましたが、当時の経済状況から盲学生の学習や暮らしは安定しませんでした。ですから1969年、本間理事長がこの制度を設けてくださった時はすがる思いで希望者が殺到し、私たちは選考にいくつものバリアを作りました。そして1986年、富士(現・みずほ)が返済不要の「点訳介助事業」を提案してくれた時には驚きでした。それも競争激化で、2003年、メイスンに頼み込んで短期事業でしたが奨学金制度を設けていただきました。
 大学の学習支援が手厚くなったことは嬉しいことですが「データが提供されるから点字本はいらない」という学生に「卒業後のことも見据えて勉強を」というのはやはり押し付けでしょうか。

(編集長 高橋 実)

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