No.314 7月号編集後記

 去る日盲連大分大会で「福祉の地域格差をなくす」という決議をされたことは嬉しいことで、その実現を全ての視覚障害者が待ち望んでいることと思います。ただ、私も会員の末席を汚していますが、事情はどうあれ「福祉サービスの利用に日盲連会員だけの特典を設ける」(点毎)などといった考えは払拭しなければ運動は盛り上がらないと思います。
 福祉の地域格差は数多くありますが、視覚障害者にとって同行援護の利用内容と時間数、点字書の価格差補償は社会参加や自立に直接つながります。特に同行援護の格差是正は急務です。独り歩きできる人も、私みたいに独り歩きに自信が持てない者にとっても、快く目や手や声を保障してくれる制度は安心安定の大きな要素です。

  私は大学を出るまで直杖を無鉄砲に使いながら独り歩きしていました。高校時代盛岡から、大学時代上野から我が家に帰る年3回は青函連絡船を利用していました。その折は不安でそして不愉快に思い、早く青函トンネルができるように願ったものです。と言いますのは、青函連絡船を乗継ぐ人は席を確保するためにすごい勢いで一斉に走り出し、ホームではやかましく「走らないように」と連呼します。船ではボーイさんにチップをはずめば不安は解消します。汽車では車掌さんが検札に来た時その間の案内をお願いするのですが、すっぽかされることもあり ました。案内してくれる時には「あなたがたのために私がいるのではない。こんなことのないように5割引があるのだから」と必ず言われたものです。

  新幹線に1人で乗る時も多くなりましたが、車掌さんの大半は「お手伝いは」と聞かれお断りしていますが、いつかは断り方がまずかったのかホームに降りると駅員さんと家内から声をかけられ恐縮した程です。最近当事者団体が運営する同行援護も利用していますが誰もが至れり尽くせりの対応で感謝あるのみです。私たちユーザーは礼を失しないようにしなければと思います。

(編集長 高橋 実)

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