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2001年12月23日発行 第31号 社会福祉法人 視覚障害者支援総合センター

支援センターだより

皆さまへ

 謹んで新春をお喜び申し上げます。今回は勝手ながら、賀状でのご挨拶を本紙にかえさせていただきますことをご了承下さい。新世紀の2年目こそ、皆様にとってはもちろんの事、私たちにとっても素晴らしい希望のもてる年になりますように、心掛けていきたいと思っております。新年にあたり、あらためてセンターに対するご支援、ご協力を切にお願い申しあげます。

 ご承知のように、当法人は昨年9月29日「センター創設15年、法人認可5周年、社会就労支援施設チャレンジ開設3周年」の記念事業を行うことができました。この事業を通してあらためて皆様のお力添えの大きさを感じています。また10月にはチャレンジが法内小規模施設として、国、東京都、杉並区から認知されました。待望の文部科学省著作の小中校の点字教科書製作に参入することもできました。私たちはこれらの事柄を節目として、これまでより、一層着実に諸事業を躍進させていかなければならないと思っております。

 この記念事業の折、特にセンターの未来を考えて下さっている方々から私への「後継者を育てるように」というサゼッションを、祝辞や談話題の中でいただきました。私はもとより職員にとってこれ程心強い言葉はありません。実は役員会にもまだ諮っていませんが、後継者についてはこのように考えています。私が育てるというより何らかの方法で自薦他薦を問わず応募していただき、役職員や関係者と懇談するなどして後任者を選ぶことができればと願っています。私は現在、理事長とセンター所長、「チャレンジ」施設長、雑誌「視覚障害」編集長を兼務していますが、近いうちには理事長以外のポストは職員で埋められるであろうように訓練し、期待しております。

 当法人の事業を大きく分けますと、雑誌「視覚障害−その研究と情報−」(年6回、墨字・点字・テープ・フロッピー)の編集と発行、法内小規模施設チャレンジの運営、文部科学省著作点字教科書の製作、学術専門書や参考書などの点字と墨字の発行、受託、学習と雇用支援、相談など多種多様の業務と取り組む本部の3つです。職員と利用生合わせて24人おりますので、密度の濃い仕事をスムーズに効率よく進めていく為に、とりあえずこの3つのセクションに昨年12月から私の補佐をおくとともに、2階3階4階のフロアにそれぞれ責任者を配置しています。

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第2回点字技能試験に30人合格

 昨年11月18日(日)東京と大阪で第2回点字技能検定試験が行われました。その合否判定のための運営委員会が12月20日開かれ、30人の合格が決まりました。心よりお喜び申し上げます。合格者の中には私が日常お付き合いしている人も9人いました。その一人が「センターで2人も合格しているのだから、そのポイントを享受してほしい」という手紙をくれた人です。もちろん委員長といえども、そんなポイントなど知るはずもありませんのでお断りしました。しかしその彼も努力の甲斐あってパスしたのですからさすがです。

 お断りするまでもなく、職員の坂巻明子も利用生の出口雅弘さんも、受けていることすら知りませんでしたし、合格も判定会議まで知らなかったというのが偽らざるところです。したがって今回も前回同様、数人であれば電報でお祝いを、と思っていましたが、判定会で9人も出ましたので取りやめた次第です。

 参考までに運営委員会でまとめた「統一見解」と「合格者」を掲載します。私は今回正直言って40人前後は合格すると思っていましたが見事期待は外れ残念でした。学科はともかく校正が難所のようです。これは私の持論ですが、1960年から点字指導を始めてから「まず読みからで、視覚障害者の場合両手読みが本則」といってきました。当時は指導は書きからが多かったようです。そういうことから「校正」というのは大事ですし、間違いもマスあけよりも誤字・脱字・読み違いなどに重きをおくべきだと思っています。それに点字技能師は近い将来手話通訳士のように国のお墨付きを取らなければならないと思っていますが、規制緩和の流れの中で難しいのではないかという意見もあります。逆に資格ばやりの今ですから何とかしなければならないとも思っています。

 日盲連(日本盲人会連合)も日盲社協(日本盲人社会福祉施設協議会)も昨年の全国大会で決議していることですし、皆川校長会長も運営委員としておられることですから全国盲学校長会等教育団体にもその実現方の協力をお願いしていかなければならないと思っています。

 鶏と卵ではありませんが、盲学校や関係施設の晴・盲職員、特に視覚障害者はチャレンジしていただき、点字の普及啓発とレベルの向上に一役買ってほしいものだと願っております。日盲社協点字出版部会で「点字サイン」の問題で小委員会を設置して全国的なアンケートも行って、見やすい・分かりやすい・利用されやすい・便利な、共通のサインを提案しようと検討していますが、そのチェック施設として「点字技能師」うんぬんという話も出ていましたし、点字出版施設の設置基準にも点字技能師を、という話題があちこちで出るようになりました。厚生労働省へも積極的に働きかけていきたいと思っております。

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第2回点字技能検定試験結果についての見解

第2回点字技能検定試験の結果について
 第2回点字技能検定試験は、平成13年11月18日(日)に東京と大阪の2会場で行われ、144名(点字使用者64名)が受験し、30名(15名)が合格しました。

 第1回のときは、577名が受験して、合格者は21名(10名)で、3.6%という低い率でしたが、今回は20.8%にアップしたことになります。
 その理由は、第1回目と今回とで、受験者が大きく変わったことによると見られています。前回合格されなかった方々のうちの多くが、合格は厳しいと見て再度の挑戦をあきらめられたようです。それに対して、第1回目のときは様子を見ておられたベテランの点字関係者の方々が、今回はかなり受験されました。もちろん、今回の試験内容がやさしくなったり、採点基準がゆるくなったことはいっさいなく、前回と同等のレベルでした。

点字技能師の資格
 この点字技能師認定制度については、国家資格として位置づけられるよう、規制緩和が実施されていく中でも、強く働きかけ続けております。ただし、実現するまでの間であっても、認定を受けられた方が、点字の指導者として評価されて定着し、いろいろな場で活躍されることを目指しています。
 また、この検定は、読み書きが一定のレベルでない方を排除するものではもちろんなく、多くの方々が共に使用する点字書籍やデータ、公共の場での点字表記を、統一して一定レベルに保つこと、そしてその中に視覚障害者が多く含まれて就労にも結びつくことを望んでいます。

 第3回目は、平成14年11月17日(日)に、東京と大阪で行う予定です。
 なお、点字表記については、この12月に発行された、『日本点字表記法2001年版』による内容となります。

平成13年12月20日
社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会
点字技能師認定制度運営委員会
委員長 高橋 実

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第2回合格者

飯田三つ男(千葉県) 石田絢子(新潟県) 伊藤聡子(東京都)上野多美子(兵庫県)大藪眞知子(京都府)緒方淳子(大阪府) 加藤純(石川県) 川路篤子(東京都)
菊地理一郎(宮城県) 小池清(東京都) 白井康晴(東京都)持齋雅佳(群馬県) 住吉素子(群馬県) 関尾温(神奈川県)高橋恵子(千葉県) 塘添誠次(富山県) 夏目隆好(愛知県)成瀬有希子(愛知県) 二階堂和美(岡山県) 畑千尋(東京都)馬場順子(京都府) 樋口俊子(神奈川県) 松井友江(長野県)宮阪政子(長野県)三輪久雄(岐阜県) 三輪田久美子(大阪府) 安井正明(大阪府)山原瑞穂(京都府)横澤忠(岩手県) 和田恭子(兵庫県)

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埼玉盲高1・2年生ら9人一日体験

 センターには、いろいろな団体や施設、ボランティアグループ、それに三権分立ではありませんが、議員、役人、プライベートで司法関係者も見学に来られ、それぞれ対応に嬉しい悲鳴を上げることも度々です。各階のフロアはいずれも100平米あまりですから、動きがとれないことなどもあって小規模零細施設ならではの悩みを抱えながらの日々で、おいでいただく方にも申し訳なく思っております。

 先日は、埼玉盲高等部1・2年の生徒ら9人が一日研修で来られました。午前は「チャレンジ」で点字の読み合わせ校正で、職員とマンツーマン方式で作業を体験してもらいました。午後は2時間私の話を聞いてもらい、そのあと質疑をしました。生徒さんは緊張も手伝ってでしょうが、読みでは「もうひとつ」といった感じでした。弱視で日常生活に点字を使わないですむという人でも、折角盲学校に入ったのですから点字をマスターしてほしいと私は思っております。そういう立場から、盲学校の教職員は、正確・迅速までは強要しませんが点字の読み書きぐらいはできるようになるべきだという願望を持っている一人です。何といっても点字は視覚障害者の生活文字なのですから学校の中はもちろんの事、社会で市民権を行使しなければ、いずれは肩身の狭い存在になるでしょう。幸いセンターの晴眼職員が、点字を手で読む練習をしています。成長することを願っています。

 前号でご報告しましたが、文部科学省著作の点字教科書製作をセンターでもすることになり、中学国語の入力から始まり並行して校正に入っています。小・中の場合、教科毎に盲学校教師が編集主査と校正という事で関わっていますが、センターの中・国は筑波大附属盲の先生です。先生といろいろお話ししている中で「センターは点字の校正などは視覚障害職員が中心にやっているのですね」という意味のことをいわれました。その通りで、利用生も読み合わせを担当した点字データはその担当者の責任で修正することにしています。
 以前私は本紙で「点字図書館など大手施設が点字校正も修正も晴眼者が対応していく方向にある」ということに、私は「効能率を優先することは今の時代当然としても、無節操にそのことだけを重視し視覚障害職員の職域を犯すことは問題だ」との指摘をしました。余程のことでない限り、ハンディがある者とない者とが同じ環境で事に対した場合、常識では結果は決まっていると思います。いうまでもなく、効能率だけを優先させるのではなく、その職種を大所高所から検討しなければならないと思います。ハンディを補うための自身の努力とともに、社会的にもそれらをカバーする配慮が不可欠だと思います。

 確かに点字パソコンの場合、校正一つをとっても一目瞭然なのですから、修正も早いと思います。正確・迅速をモットーにする場合、視覚障害者は専門性を身につけて晴眼者に太刀打ちしなければならない、と私は常々思っています。

 これも前号でちょっとふれましたが、日盲社協就労促進委員会が、加盟216施設に対し視覚障害者の雇用についてアンケートしました折、そこに働く視覚障害職員115人から回答をもらいました。実数として私は300人は勤務しているだろうと思いますが、回答された115人の半数が高学歴でした。職種は点字校正、指導員、相談員等でした。一概には言えないでしょうがこの職種に就いている人たちは専門職だと思います。その人達の職域を守るということではなく、この分野では晴眼者と対等、ないしはそれ以上に能力を発揮できるような環境が大切だと思います。

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読み合わせ校正者をお願いします

 「チャレンジ」の利用生を中心にして、現在週60人くらいの方に読み合わせ校正でお手伝いいただいています。通所生の増加もあって、新たに多数の皆様に読み合わせ校正者になっていただきたく、ここにお願いする次第です。
 申しあげるまでもなく、視覚障害者が点字入力されたものを読み、協力者にその活字を読んでいただき間違いをチェックするという流れで、利用生には1・2校を読んでいただくというのが原則です。

 対象となる本は、学術専門書が大半で時に一般書もあります。その選択は原則として協力者にありません。お手伝いいただきたい日時は、祝祭日と土・日を除く毎日9:30〜12:00、1:00〜4:00ないしは5:00、現在2・3人の方は丸1日来て下さっています。経費は勝手ながら交通費のみ負担させていただきます。希望としては漢字に強く、読みに謙虚で辞書を引くことが億劫でない人、継続性のある人に是非お力添えを頂きたいと思います。

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