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2002年12月20日発行 第36号 社会福祉法人 視覚障害者支援総合センター

支援センターだより

皆さまへ

 謹んで新春をお喜び申し上げます。日頃はセンターに対し物心両面でご支援とご協力をいただき誠にありがとうございます。本当に皆さまの継続的な支えがあるからこそ過去現在未来のセンターがあるのです。重ねて心より感謝申し上げます。

 当法人は昨年10月25日、理事・監事・評議員の任期満了に伴い、向こう2年間にわたっての役員と評議員(下記参照)を推薦して、全員のご承諾を得ることができました。また新理事会で出席者の互選により私が理事長に指名されました。これまでも四方八方からバックアップしていただき大役を務めさせていただきました。これからも体力の限界を精神力に置き換えて、当法人に関わる人たちは勿論、全国津々浦々でセンターにお力添え下さっている皆さまのご期待に反しないよう誠心誠意努力して参りますので、一層のご協力を切にお願いする次第です。

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役員名簿

(50音順敬称略)

1 高橋 実 理事長(評議員兼務) 施設長 代表権あり
2 小川 道子 理事(評議員兼務)
 朗読者、ダイヤルサービス株式会社 電話相談員
3 島ア 髑セ郎 理事(評議員兼務)
 社会福祉法人浴風会 特別養護老人ホーム南陽園園長
4 志村 洋 理事(評議員兼務)
 福岡教育大学教育学部障害児教育講座 教授
5 谷合 侑 理事(評議員兼務)山野美容芸術短期大学福祉学科講師
6 星 伊久江 理事(評議員兼務)コーラス・グループ主宰
7 田中 亮治 監事 社会福祉法人 東京光の家理事長
8 藤本 静男 監事 公認会計士・税理士藤本会計事務所所長
[評議員名簿]
1 岡田 峰喜 評議員 丸増株式会社総合企画室室長
2 加藤 みさ子 評議員 センター職員(チャレンジ代表補佐)
3 榑松 武男 評議員 KGS株式会社 代表取締役社長
4 高橋 次子 評議員 無職
5 濱上 清春 評議員 (株)エポック・アイ代表取締役
6 本間 麻子 評議員 社会福祉法人 聖明福祉協会理事
7 橋本 京子 評議員 センター職員(所長補佐)

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高額の寄付と助成

 先頃センターではHOYA株式会社とジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社から高額のご寄付をいただきました。また社会福祉法人丸紅基金と公益信託宮川高子記念障害者福祉基金から助成金をいただきました。2つの会社と2つの助成団体に対し心からお礼を申し上げます。

 HOYA株式会社様にはお訪ねして使途についてご相談させていただきます。またジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社様からのご寄付は、点字印刷機購入の一部にあてさせていただくことでご了解を得ました。

 また丸紅基金の助成は、視覚障害者のための交通アクセスブック『手と足で見る生活地図(仮題)』製作にあてます。これは不景気知らずといわれている東京ディズニーランド、東京ディズニーシー、ユニバーサルスタジオジャパンなどへの交通路のアクセスを地図と解説でまとめ、加えて視覚障害者関係の大手施設や宿泊先などをリストアップして、読み物風に作り上げたいという計画です。宮川高子基金からの助成は点字と墨字が同時に打ち出される点字プリンタと紙切機を購入します。センターはこのように不特定多数の皆さまのご支援をいただき運営をしております。重ねてお礼を申し上げる次第です。

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荻窪駅北口バス停に誘導ブロック

 当センターの最寄り駅はJRと丸の内線荻窪駅で、バスを利用する職員や利用生は北口を使っています。北口のバスターミナルには9ヶ所のバス停がありますが、そのうちの0番、1番、3番はセンター近くの八丁を通過しますが、一番本数の多いのが0番線から出るバスで、幸いなことに駅の階段を上がって一番近く、その次は1番線です。

 どうしたことか、北口には駅の階段を上がりきった所に敷設されている、注意を促す点字ブロック以外の場所には、誘導ブロックは皆無です。したがって利用生や職員は知恵をはたらかせてバスに乗っているのだろうと思います。その状況を街頭演説をしている区議会や都議会の議員が見ていて誘導ブロックの必要性を考えられていたのだと思います。10月のある日、区議の女性議員2人が私を訪ねてこられ、「毎朝視覚障害の方がバスを利用しておられるのを見ていて、点字ブロックがあればと考えていました。しかし土地がJRと都の所有ですから、両方の了解を得られるべく要望していたところ理解が得られましたので、敷設の方法について意見と希望を聞かせてほしい」という突然の申し入れを受けました。

 視覚障害者からは「荻窪駅で降ろされた時、それがターミナルの何処なのかがさっぱり見当がつかず不便で恐い」ということは聞かされていましたし、一人歩きをしていない私も「傘をささなくちゃいけなかったり、駅の階段までどの程度の所におろされたのか、どういう決まりで停車するのだろう」とぼやいていたほどで、乗車については余り考えていませんでしたので、早速利用生と職員が議員との懇談をもつ機会をあらためてつくることにしました。その折もいろいろな意見が出ましたが、結論は「現場で関係者と話し合うのがベスト」ということに落ち着きました。

 11月の半ば、ラッシュ時の朝、利用生の代表一人と職員、私、JRと都の関係者2人ずつ、それに都議と区議の10人で利用度が一番という0番と駅階段上がり口からの誘導ブロックの敷設について行ったり来たりしながら話し合いました。その結果、0番についてはこちらの希望を取り入れて敷設するということで纏まりました。次に時には利用することもあるという1番までの誘導ブロック敷設も是非検討してほしいという希望は出しましたが、その場では「商店や借地権のことなど、クリアしなければならないこともある」ということで課題になりました。しかしその後関係者の理解が得られ、0番と共に1番へも敷設されました。同時に数カ所に点字ブロックが敷設されましたので、いずれバスターミナルの図版を点字で書いてもらい、利用生らと検証したいと思っております。なお問題の降ろされる場所については一定しておらず、バスの発着状況などと関係があるようです。ですから実現性はともかくとして、その都度運転手さんにアナウンスしてもらうか、バス停に音声案内があれば不安と怖さは幾分解消されるのかもしれません。

 1996年5月センターが上荻に引っ越してきてすぐ、周辺の横断歩道に点字ブロックと音響式信号機の設置を要望しましたが、騒音公害にならないようにという配慮から押しボタン式になりました。4車線の青梅街道ですから車の騒音のほうがと思うのですが、慣れというものが幅を利かせているように思います。また距離の長い横断歩道ですから、いずれエスコートゾーンを要望したいと考えております。今回は誘導ブロック敷設について強い働きかけをしなくても実現しました。便利さと安全を配慮してこのような工事をしてくれることが、思いやりと優しさのあるバリアフリーの街づくりだと私は思います。

 1986年、成田東に初めてセンターの看板を掲げた時は、地下鉄丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅からセンターまでの約600メートルの都道と区道に点字ブロックを敷設してもらいました。その折「区と都が同時に対応してくれた」ことに驚き感謝しているということを本紙に書いたような気がします。このセンター周辺と駅やバス停から晴盲ともに安心してセンターに来られるよう、誘導ブロックの敷設を要望して行きたいと思います。最近また話題になったのですが、「世の中全てに点字ブロックがあるわけではないのだから、施設内や施設周辺にわざわざブロックを敷設する必要はない」というその道の専門家もおられるようですが、ずぶの素人の私は「あるに越したことはない。当然のこととして最小限の設備だけはすべきだ」と思いますが、皆さまはどうお考えになるでしょうか。

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青木陽子さんの講演会と激励会

 中国の天津で活躍しておられる青木陽子さん(40)が、第19回点字毎日文化賞に選ばれ、その授賞式で一時帰国されました。できるだけたくさんの方に中国における視覚障害者の状況とボランティアの実態、それに青木さんの活動などご自身の言葉で皆さまに伝えていただきたいという思いから、昨年11月8日15時から2時間杉並区の阿佐谷地域区民センターで講演会を開きました。また18時からは荻窪の東信閣で、親しい皆さまにお集まりいただき激励会を開催しました。

 私が申しあげるまでもなく、青木さんの献身的な活動や業績が点毎文化賞受賞につながったのだと思いますし、2001年に中国で外国人に贈られる名誉ある友誼賞も受賞しております。
 6日午後久しぶりに埼玉県さいたま市のご両親の元に帰られ、ゆっくり体を休める時間もないまま、8日毎日新聞東京本社で昼食をはさんで授賞式、15時からはセンター主催の講演会、18時から激励会とびっちり詰まったスケジュールをお父様と一緒にこなしてくださいました。陽子さんは今が働き盛りで、その上アメリカと中国で心身ともに鍛えられておられるのか元気いっぱいの感じでしたが、79歳になられるというお父様はさぞかしお疲れになったことと思いました。お母様も是非と申しあげたのですが、健康上の理由でご遠慮されました。

 講演会で青木さんは「最近の中国の1年は日本の10年に匹敵するほどスピードは速い」と指摘していましたが「視覚障害者の職業教育福祉の遅れはおはなしにならない」というように私は受けとめました。

 青木陽子さんは、一人っ子で6歳の時に失明し附属盲から南山大に進み、卒業後アメリカのニューヨーク州立大バッファロー校修士課程とペンシルバニア大の博士課程を終了。1993年に天津外国語学院に入学。翌年私財300万円を投じて現地に「天津外国語学院 視覚障害者日本語通信教育センター」(現 天津市視覚障害者日本語訓練学校)を開設されました。

 私は、一人で中国に行かれる陽子さんから準備として「中国語の点字ができる人を紹介してほしい」という依頼を受けて、センターの戦力の一人で岡崎市に住む仲村和子さんに相談したところ「妹の松田文美子が中国語をやっているので話してみましょう」と引き受けてくれた頃から、たぶん懇意になったのだと思います。これまで7人を日本に留学させ、職業技術を習得させるなどその活動は各方面で高く評価されています。「将来はアジア各国で自国の福祉向上に貢献できる障害者を育成する日本語学校を作りたい」と青木さんは更なる意欲を燃やしています。

 その陽子さんが海外で存分に活動できるような国内での支援体制をもっと広げられるような方法はないものかと目下関係者と相談しております。現在は、さいたま市のご両親宅に支援する会の事務所を置き、ご両親が事実上雑務をこなしておられます。70代後半のご両親にこのような仕事をお願いしていていいものかも検討材料だと思います。私の独断ですが、3月帰国予定があるようですから、大都市の何カ所かで地元施設の協力が得られれば、青木さんの講演と支援の輪を広げる催しを企画したいと思っております。

 話を8日に戻します。激励会には多忙な中を毎日新聞の斉藤社長をはじめ主賓を含めて28人の方においでいただきました。センターから職員3人がでてお世話をさせていただきましたが全員の方から2分間のお祝いと激励のスピーチが贈られました。また陽子さんからは10分ほどのご挨拶をいただき、本当に楽しいひとときを過ごすことができました。また本来ですと、皆さまからお祝い金とか記念品とかいって陽子さんにお渡しすべきだったかもしれませんが、今回は私の独断で、激励会への参加を呼びかけた方全てに「激励金を」とお願いしましたところ、当日欠席されたかたも併せて26人から30万円が寄せられ、席上住所氏名を明記して青木さんにお渡ししました。

中国で活躍する筑波大学附属盲学校卒業生
青木陽子さん支援カンパのお願い

 筑波大学附属盲学校の卒業生、青木陽子さん(全盲)は、中国天津市で視覚障害者のための日本語学校を開設し、中国の視覚障害者の地位向上のために活動を続けています。この活動が認められて、昨年は中国政府より「中国友誼賞」を送られ、今年は日本で「点字毎日文化賞」を受賞しました。
 地元天津市では、日本の総理大臣の名前は知らなくとも、「青木陽子」の名前を知らない者はいないと言うほど有名な青木さんの活躍ですが、日本での支援組織はなく、わずかな賛助会費と寄付金に頼るしかありません。このたびの点字毎日文化賞を機に、私どももできるだけのお手伝いをしたいと思い、カンパ活動をすることにいたしました。どうぞ趣旨をおくみとくださり、ご協力いただきますようお願い申し上げます。
 賛助会員となってくださる方は、振り込み用紙に「賛助会員希望」とお書きの上、下記金額をお振り込みください。定期的に会報「大地」が送られると共に、年1回会費の請求をさせていただきます。

年額  3,000円
※今回限りでカンパをお願いできる方は、振り込み用紙に「カンパ」とお書きの上、一口5,000円を目安にご協力ください。何口でも結構です。
(振込先)
   口座番号:00120-3-772206
   加入者名:アジア視覚障害者教育協会
   呼びかけ人代表
     高橋 実(視覚障害者支援総合センター理事長)

このような呼びかけを、第1弾として附属盲学校の皆様に対して行いました。今後さらに広くお願いを呼びかけていく所存です。
皆様も、趣旨をご理解いただき、是非ご支援下さいますよう、よろしくお願いいたします。

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第3回点字技能試験で24人合格

 14年12月19日第3回点字技能検定試験の結果が同運営委員会から発表されました。さる11月17日東京と大阪の2会場であわせて109人が受験し、24人が見事合格されました。心よりお喜び申し上げるとともに、今回感激を味わわれなかった皆さまに対しては、次回また心新たに挑戦してください、と申し上げる次第です。

 今回の合格者24人中、点字使用者は6人。当センターのチャレンジ利用生堀野誠さんが合格しました。センターでは第1回目の坂巻明子さん、出口雅弘さんについで3人目です。
 第4回目の技能検定試験は11月16日(日)東京と大阪の2会場で実施されることも内定しました。申込みは7月1日からの予定ですが、詳しいことは4月以降のセンターだよりでもお知らせいたします。

 私はいつも申し上げていますが、点字は視覚障害者の生活文字であるとともに、晴盲共通の点字として定着させたいと願っております。したがって点字を広く理解していただくと同時に、書きよく読みよくわかりよい、きれいな点字を正確迅速に使用していただきたいという思いから、この制度を提案した次第です。

 今回で74人の点字技能師が誕生したことになります。この人たちが点字の専門家として各方面で活躍してくださることを願っております。

 先日二十数年ぶりに視覚障害を持つ後輩にお目にかかりました。その彼から手渡された名刺に「点字技能師」として書かれていたことに感動しました。彼は昨年の点字技能検定試験で見事合格していたことを記憶していましたが、名刺に刷り込まれている「点字技能師」という5文字の重さを改めて感じました。長年夢見ていた私としては、点字冥利につきるといっても過言ではありません。晴盲ともに点字技能師がたくさん出て、あらゆる職域で頑張ってくれることが視覚障害者の職域を広げることにつながるのだと信じております。

 私は次のふたつを関係者の賛同をいただき実現できればと思っております。ひとつは点字技能師協会(仮称)を点字技能師の皆さまや理解者に呼びかけて組織することです。大先輩になる手話通訳士は組織率9割で、協会をつくり働く場の拡大に努力しているそうです。点字技能師がそれぞれに幅広い知識と点訳技術を修得することと、点字の普及・啓発に会を挙げて取り組むことができれば、自然、点字技能師の専門分野は拡がると信じております。もうひとつは技能師を目指す人たちのレベル向上のための勉強会か研究会、講習会のようなものを企画できればということです。

[第3回 点字技能検定試験合格者一覧] (50音順、敬称略)

氏    名 都道府県名 使用文字
浅川 一枝 長野県 墨 字
浅野 紀子 神奈川県 墨 字
遠藤 敦子 埼玉県 墨 字
大谷 みよ子 埼玉県 墨 字
奥野 真里 愛知県 点 字
金子 範子 千葉県 墨 字
桑原 民子 岩手県 墨 字
古賀 副武 兵庫県 点 字
小宮 美砂子 山梨県 墨 字
込山 光広 埼玉県 点 字
小森 あゆ子 埼玉県 墨 字
白樫 幸子 東京都 点 字
杉山 とし子 静岡県 墨 字
鈴 和代 埼玉県 墨 字
曽根 滋子 愛知県 墨 字
土屋 博 東京都 墨 字
仲田 利子 埼玉県 墨 字
中野 陽子 福井県 墨 字
仲村 和子 愛知県 墨 字
中村 京子 新潟県 墨 字
堀野 誠 東京都 点 字
松下 美和子 和歌山県 墨 字
矢部 弘毅 京都府 点 字
山田 栄子 山梨県 墨 字

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センター理事長が厚生労働大臣表彰を受賞―表彰式に同行して

「盲人だからといって進むべき道が鍼灸しかないのはおかしい。」「自らの進路に悩み苦しんだ、そして大学進学・学習環境整備・就職で味わった同じ苦労を後輩にさせてはならない。」

 この強い思いが原動力となり、わたしたちのセンター理事長であり、所長兼チャレンジ代表である高橋実は、1961年に日本盲人福祉研究会(文月会)を組織し、視覚障害者に対する大学の門戸開放(点字受験導入への取り組み)、進学への促進、入学後の学習権確保の要求など学習環境作り、就職相談支援、国家公務員採用試験等への点字受験導入の要求と実現までの取り組み、講演会や勉強会の開催・出版などの社会啓発活動を行ってきました。やっと入社を果たした点字毎日での記者仕事2年目からのスタートだったと言います。以来、奥様の次子夫人とご一緒に25年近く、記者稼業と文月会の仕事に取り組んできました。点毎を定年退職した後には、これまでの活動をさらに濃縮発展させるために上京。各種テキスト・自己学習のための参考書・問題集・実用書など視覚障害者が学習のために使う書籍の点訳や、視覚障害学生へのサポートなどの事業も強化し、今わたしたちの働いている支援総合センターを創設しました。今日、点字で受験をできる大学が国公立私立あわせて150校以上にもなったことや、三療以外の様々な分野へも進学就職する視覚障害者が増えたこと、公務員をはじめとする様々な就職試験において点字使用者への対応が広がったこと等、時代とともに進められてきた視覚障害者の学習や就労の環境整備について、少なからず関わりながら歩みを進めてきたのです。

 この度、その高橋所長が厚生労働大臣表彰を受けました。他でもない厚生労働省より大臣賞を頂戴するという栄誉です。これまでの地道な活動が評価を受けたということで、所長、所長をずっと支えてこられた奥様、そしてセンター職員一同で喜び、これからの大きな励みとさせていただきます。

 12月4日には、その受賞式がありました。式には、所長と奥様、そして私が同行いたしました。午前中は厚生労働省で表彰式、午後は皇居にて天皇皇后両陛下拝謁の行事という一日スケジュールでした。この日の模様を少し紹介させていただきます。

 厚生労働省に着くと、係員のご案内で2階の講堂へ。講堂内では、受賞者とその配偶者の名札のついた席が舞台前方にあり、所長と奥様はそちらに、わたしは後方で式の様子を見せていただくことになりました。受付でいただいた冊子には、第52回障害者自立更生等受賞者として今回75名の方のお名前がありました。所長は「身体障害者等社会参加促進功労者」です。

 11時、表彰式の開会。司会者の開会の言葉に続き、国会業務で御欠席の坂口厚生労働大臣に代わって澤田厚生労働事務次官が「自ら障害をもち自ら克服し、自立更生のために現在も活躍されている皆様に敬意を表します。障害者プランの最終年、雇用就労との一体化、障害者の自立した生活を目指す施策を検討しています。」という趣旨のご挨拶をされました。手話通訳付きの進行で、車椅子の方や、視覚障害の方等へのご配慮でしょう、舞台上でなく受賞者お一人お一人の席での表彰となりました。授与する者される者が同じ目線で進行する式、事務次官自らが会場のテーブルを順々に回られて賞を授与されるお姿がとても印象的でした。

   表彰状
                 東京 高橋実殿
 あなたは 自らの障害を乗り越え 
障害者の社会参加の促進に率先して尽力され
功績は極めて顕著なものがあります
 よってここに表彰します

           平成14年12月4日
               厚生労働大臣 坂口 力

 式の後で見せていただいたのですが、表彰状は点字でもいただきました。これは受賞に加えて喜ばしいことです。ちなみにいただきました記念品のお盆は、センター内でお客様用として活用させて頂いております。

 この賞について、冊子による説明を付させていただきます。今回受賞された75名の方、内訳は「自立更生者」「更生援護功労者」としてそれぞれ35名、34名、「身体障害者等社会参加促進功労者」として2団体と4名です。先にお書きしましたように、所長は、この「身体障害者等社会参加促進功労者」の受賞ですが、これは「身体障害者又は知的障害者の社会参加の促進のため、率先して障害者対策(事業)を実施し、その内容が特に顕著であると認められる者」に対する表彰とのこと。

 「東京都 高橋 実 男 71歳 社会福祉法人視覚障害者支援総合センター理事長 視覚障害1級 視覚障害者の大学受験や公務員試験における点字受験の実現に向けて積極的な活動を展開した。また、視覚障害者の就職相談等を積極的に推進するなど視覚障害者の学習・点字・就労に多大な尽力をし、視覚障害者の自立と社会参加に寄与した。」

 冒頭に「東京都」とありましたが、他の受賞者を拝見しますと、「北海道」や「福岡県」「宮崎県」など、全国各地から遠路をいらっしゃる方々がとても多いようでした。自立更生者とは、「身体障害者又は知的障害者であって、自らその障害を克服し、現在自立更生して他の模範とするに足ると認められる者」、更生援護功労者とは「永年にわたり、身体障害者又は知的障害者の更生援護に尽力し、その功績が特に顕著であると認められる者」。やはり、永年、地元で福祉のさまざまな面でリーダー性を発揮され、現在も地域の福祉協議会の役員などに就かれている方々です。「自立更生者」の中には、「視覚障害1級、鍼灸マッサージ業」という方も何名もいらっしゃいました。 

 昼食のお弁当をはさみ、午後はバスに分乗して皇居へ。わたしたちは4号車で向かいました。朝は「雨が降るかな」くらいの空模様でしたが、移動の頃には雨も本降り。まもなく車窓に皇居前の広場が現われました。その静かな松林の周りで行われていたどこかのマラソン大会を横目に、緊迫した雰囲気のバスは坂下御門へ。御門前でバス内人数のチェックを受け、入門。皇居内は緩やかな傾斜道が続きます。バスはゆっくりと登って軽いカーブを過ぎ、うぐいす色の大屋根が美しい正殿の前に参りました。2時前、バスは北御車寄に停められ、いよいよ拝謁の辞へ移ります。受賞者とその配偶者だけの行事となるため、わたしはバス内での待機でした。所長はじめ拝謁の辞に向かう方々がバスを降り、金色の絨毯にシャンデリアの滴る入り口より中へ姿を消してゆくと、辺りはさらに静かになりました。辞は北溜の間で行われるとのことで、その様子は外からでは全くわかりませんでした。宮殿前の石畳はいつのまにか雨を湛えた広い池となり、広い建物の景観美が静かに映し出されていました。今ごろ、受賞の方々は天皇皇后両陛下直々に自身の歩みを称えられているのだと思うと神妙な気もちになり、ひとり感慨に浸っていたことを覚えています。
 拝謁を終えられ、バスに戻られた方々のお顔は、明るく心なしか少し上気されているようでした。その様子から、「やはり特別の感慨があられたのだろう」と思ったものです。

 最後には、皇居内のバス見学が組まれていました。バスガイドさんのガイドに耳を傾けながら、武蔵野の面影の残る林、生物学御研究所、天皇御自らがお田植えやお稲刈りをなされるという水田、吹上御苑を回って参りました。大木聳える広い皇居庭には、樹齢300年、徳川家光の時代のものがあるとのこと。また石垣上には江戸城跡も見え、そこはまさに“歴史の中”でした。蓮池御堀沿いには、大紅葉、銀杏、柳の色とりどりの木々が並び、白鳥が休んでいたり。霧の中の皇居は本当に本当に静かで厳かな空間でした。

 帰社後のことですが、拝謁の時には、受賞者を前面に配置されようという主催者側のご配慮からか、視覚障害の方でも配偶者と引き離されてしまい、所長も周囲の状況がわからずとても困ったとのエピソードを伺いました。この辺りの話は後ほど所長より社会参加推進室の片石室長にも申し上げたことです。また、願わくは美智子さまの肉声を一声でもよいからお聞きしたかったとも。いつになく「遺憾ながら」と控えめなの言葉の中に苦笑はしながらも、先方への敬意とこれまでご支援くださった皆様への感謝の念に耐えないといった所長の暖かな表情が、後日談として忘れられないものとなりました。

センター所長補佐 橋本 京子

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「チャレンジ」で防犯・健康講演会

 「チャレンジ」が昨年10月に法内小規模施設として国・都・区から認可を受けてはやくも1年たちました。「チャレンジ」では高レベル作業・高賃金を目指すとともに、利用者の生活プログラムの充実につとめています。

 そのプログラムのひとつとして、防犯、健康管理の講演会を実施しました。防犯講演会は10月、「チャレンジ」のご近所でもある荻窪警察署のご協力を得て行いました。 当日は警察署の防犯課より2名の警察官に来所いただき、防犯に関するいろいろなお話をユーモアをまじえてうかがうことができました。最近問題になっているストーカーや痴漢、ひったくり対策では、防犯ベルを実際に体験してみました。その他、空き巣や警察官をかたった犯罪対策の知恵など現場ならではの貴重なお話に、利用者、職員、ボランティアさん一同大いに聞き入っていました。

 11月には、荻窪保健センターで行われている健康診断フォローアップ講習会を「チャレンジ」のために出張して開催していただきました。「チャレンジ」利用者の健康診断の結果をふまえて、保健師、栄養士さんから生活習慣病予防を中心にお話がありました。「生活習慣病チェック」では、参加者全員が胸をどきどきさせながら自分の生活状況をチェックしました。また野菜とお菓子の実物を比べて、毎日の食生活でいかに野菜の摂取が大切かを実感しました。最後にはストレッチ体操を体験して講演会は終了しました。

 2つの講演会とも短い時間ながら、盛りだくさんの内容で大変有意義な時間を過ごすことができ、利用者のQOL(生活の質)の向上につながることと思います。荻窪警察署、荻窪保健センターの関係者の方々には一同厚くお礼申しあげます。

「チャレンジ」施設長補佐 加藤 みさ子

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実りある終結を迎えて ─養成講座終了報告─

 前号でお知らせしたように、センターでは平成14年10月から「第11回専門点訳者実践養成講座」を開講してまいりました。各講座とも年内で無事終了し、計20時間の講義がそれぞれ締めくくられました。

 講師は日頃からご協力いただくことの多い外部の方3名と、センターの職員2名にお願いしました。改めてお名前を挙げますと、「日本語基礎」(土10:00〜12:00)橋本京子さん(センター職員)、「日本語応用」(土13:30〜15:30)染谷洋子さん(日本点字図書館)、「音楽」(水13:30〜15:30)坂巻明子さん(センター職員)、「英語」(土13:30〜15:30)乙川利夫さん(国立身体障害者リハビリテーションセンター教官)、「理数」(火13:30〜15:30)田中仁さん(慶應義塾大学非常勤講師)の5名です(坂巻さん、乙川さん、田中さんは視覚障害者)。準備や課題の採点なども含め毎週相当の労力・時間と熱意を傾けてくださいましたことに重ねてお礼申し上げます。なお本講座の開講にあたっては「中央共同募金会」および「読売光と愛の事業団」から高額の助成を頂きました。このように多くの方々、多方面からの協力あってこそ本講座は成立したのです。

 受講生の人数は、「日本語基礎」13名、「日本語応用」17名、「音楽」9名、「英語」12名、「理数」7名でした。以前に開講された時には、遠く秋田、山形、福島、長野、静岡といった県から通う方も多数おられたのに対し、今回は東京都内および近県からの受講者がほとんどで、特に杉並区内在住の方が多数を占めました。各講座とも(椅子同士ぶつかり合うような会場の窮屈さにもかかわらず?)出席率は非常に高く、受講生の皆さんの活気にあふれる授業が展開されていました。

 私はたまたま「基礎」と「英語」の(全く名ばかりの)補助という業務を与えられ、この2講座に出席しました。職員中最も新米かつ点字の初学者である自分にとって「基礎」講座は非常に役立ちました。先生が毎回配布するレジュメは要点がわかりやすく整理されており、テキストだけでは混乱しがちな部分の理解を助けてくれました。殊に数字や英字を含む語句の書き表し方等を丁寧に教えてもらえたのが嬉しかったです。受講生も点字に初めて触れた方が多かったようですが、大変熱心で毎回質問も多数飛び出していました。宿題の提出率も完璧に近かったようです。また視覚障害に対する理解を深めてもらうため、「音楽」の講師でもある職員の坂巻さんに、日常生活や音楽活動のことなどを語ってもらう機会が用意されました。皆さんは日頃視覚障害者と接触がなく、坂巻さんの話によって初めていろいろな点に気づかされたと言う方もおられました。「英語」の受講生は全員日本語点字の知識があり、点訳歴のある方がほとんどでした。「英語」点字は略語・略字・縮語など暗記しなければならないことが多く、高い注意力も必要とされます。しかも授業中は点字器で練習問題をこなさなくてはなりません。テキストのあっちこっちをひっくり返しながら途方に暮れている私を後目に、皆さん点筆に集中して問題を打ち終え、先生に提出されていました。乙川先生の授業では毎回、テキストを離れ視覚障害者を取り巻く現状や日々の問題意識を話す時間が設けられていたのが大変印象的でした。ある時は講義終了後にお茶会が設けられ、さらに先生と交流が進んだようです。残念ながら他の講座には参加できなかったのですが、それぞれに特色ある勉強会であったようです。

 今年度以降もこうした講座の開講予定があり、今回実施しなかった科目も開講される可能性があります。ご要望が多かった「パソコン点訳」なども検討中です。興味関心のある方はまたの機会にぜひご参加ください。情報はその都度『センターだより』にてお伝えいたします。なお基礎講座を修了された方は今後通信講座の「日本語応用」に進まれます。近々に点訳者として活躍される方々もいらっしゃるかもしれません。そんな「きっかけ」がこの養成講座によって提供され続ければ幸いだと思います。

金築 由紀

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自由に辞書をひける喜びを『新訂標準音楽辞典』製作事業報告

これまでも紙上でお知らせしておりました『新訂標準音楽辞典』につきましてご報告させていただきます。

1. 製作過程について
 2000年4月に中央共同募金会の方が当センターにおいでくださり、「視覚障害分野で音楽関係の支援をしたいという方がいらっしゃるので、何かコンサートのような企画はできないでしょうか」との相談を受けました。その後電話による打合せを経て企画案を提出し、11月下旬、正式に申請書が認められました。ご協力をいただけたのは、音楽界の巨匠、久石譲さんでした。
 12月には点訳を依頼し、入力開始。2001年4月には入力を終え、校正作業に入りました。それと並行して、2001年8月からは、関係施設へのアンケートの発送とマスコミ各社への情報提供により、「音楽辞典」希望者を募りました。
 当初の予想以上に校正に時間がかかったため、発行もお知らせした時期より遅くなってきたことで、希望者の多くの皆さんから「まだ発行されないのか」「自分は抽選にもれたのか」との問合せが相次ぎました。希望者の数によっては抽選等も考えられましたが、久石さん、募金会の方々のご理解により、希望者全員に「音楽辞典」を配布できることとなりました。
 2002年4月中旬、丸一年かかった校正が終了し、下旬から発送開始。打出し等で一番時間のかかった点字版希望者へも、6月末までに全ての発送を終了しました。点字版は一斉発送できず1〜2ヶ月お待ちいただくこととなったことは、予想されたことではありましたが申し訳なく思っています。

2. 希望者について
 305の個人、団体の方々が「音楽辞典」を希望してくださいました。個人の方は年齢層も幅広く、数十年音楽を生業とされている方から、趣味で最近楽器をはじめた方まで、音楽との関わりも様々のようでした。団体では、各都道府県の点字図書館や、視覚障害者情報センターといった関係施設からの希望がほとんどでした。
 希望者は、点字本(88巻)、フロッピーディスク(12枚)、CD-R(1枚)のいずれかひとつを選択できましたが、時代の流れでパソコン利用者が増えたからか、それとも点字書の置き場所に苦慮されたからか、CD-Rを希望された方が200近く圧倒的に多い状況でした。
 5月上旬に「音楽辞典」を皆さんにお送りしてから、「今回の音楽辞典をぜひ読みたい。しかし実はパソコンがない。これを機会にパソコンを購入しようと思うが…」「パソコンはあるが音声ソフトだけでは読めないようだ。点字ソフトはどうすれば手に入れられるのか」といったパソコンについての相談の電話も多くなりました。そういう声があるだろうことを事前に予測できず、場当たり的な対応になってしまったことが、私自身の反省点として残っています。

3. 皆様からの感想
 「音楽辞典」をお送りした際、受領書と共に「久石譲さんへの思い」を書いて返送してほしい旨を手紙にしたところ、希望者の3分の1近い106の個人、団体の方々から、「音楽辞典」と久石さんへの想いあふれる手紙が寄せられました。
 以下、実際に利用された皆さんからの生の声を、一部分ではありますがご紹介いたします。

「久石様」  佐藤 竹一

 この度は「音楽辞典」のフロッピーディスク版を頂きまして、本当にありがとうございました。
(中略)
 当初「音楽辞典」とお聞きして、クラシック関係のみの内容とばかり思っておりましたが、邦楽やジャズなどの全般にわたる内容が扱われており、とても嬉しく思いました。と申しますのは、私は音楽全般好きですが、とりわけジャズが好きで、有名なジャズ演奏家などの理解を深めるのに大変助けになります。
 今後生涯にわたって、利用してまいりたいと思います。心からの感謝を込めて。

「久石様」  杉浦 彰

 (前略)この度は「音楽辞典発行」という大事業に取り組んでいただき、衷心より感謝申し上げます。どんな種類でも辞典というような大きな資料を手に入れることは大変難しく、その中から一つの事柄を選ぶことは大変難しいというのが私達視覚障害者の現状です。その点、フロッピーやCD-Rに纏められた資料はほんとに助かります。先日市内のある中学校へお話をしに行ったのですが、その時「このCD1枚に点字用紙約16000枚分の資料が入っている」ことを言ったところ、大変びっくりしておりました。
 これからも、いろいろな場で活用させていただきたいと思います。
 重ねて感謝の言葉を申し上げて、お礼状とさせていただきます。ありがとうございました。

「視覚障害者支援総合センター 高橋様」  井上 誠一

 この度は「音楽辞典」(CD-R)を頂戴しました。感謝にたえません。この事業を企画し、完成させてくださった高橋様をはじめ、関係者の皆様に心から御礼申し上げます。
 私は音楽を仕事にしています。だから、辞典は手元から離せません。しかし、墨字の辞典は、晴眼者が傍にいても、思う時に思うようには利用しづらいものでした。それが、40年ぶりに解消したのです。毎日あちらこちらを開き、心楽しく過ごしています。本当にありがとうございました。
(後略)

「久石 譲様」  高橋 雅枝

 (前略)この度は私達に「新訂音楽辞典」点字データ版をお送りいただき、誠にありがとうございます。音楽を愛し勉強している私にとって、この辞典が自分の手元にあっていつでも調べたい時に、誰の手も煩わせないで使えるのは、この上もなく嬉しいことです。全88のファイルから目的の用語を探し出すことは難しいですが、使いこなせるよう頑張ります。
 余談ですが、昨年、当時高校3年生だった親戚の女の子が、彼女のおじいさんの脳溢血を見たことがきっかけで、いわゆる「ひきこもり」になりました。今は元気になって4月から短大で音楽教育の勉強をしていますが、その時の心の拠り所は久石様の音楽だったようです。音楽関係の道を選んだのも、貴方様の音楽の影響があるのではないかと思います。今回、音楽辞典のお礼と共に滅多にない機会と思って彼女のことも一言書かせていただきました。
 どうぞこれからも皆に影響を与えるような素晴らしい作品を作ってください。本当にありがとうございました。

「『音楽辞典』の喜び」  坂巻 明子

 私は、今回この音楽辞典を点字で出版するために、点字の校正の仕事をしました。当センターの職員であり、また演奏家(ピアノ)としてコンサートに出演し勉強をしているので、「音楽辞典」の校正をすることがとても楽しみでした。
 今までは、点訳された音楽に関する辞典というものは、発想記号や楽語に関するものばかりでした。ですから、今回の辞典はいろいろなことが網羅されているということで、とても期待に満ち溢れました。大辞典を点字化して自分のものになれば、それはそれは勉強の幅が広がります。
 校正をしながら、作曲家の生涯で知らなかった部分や、邦楽についての知識が増えるなど、いろいろなことが分かってきました。
 今はCD検索で、調べたいことがどんどん分かってきて、そこからまた幅を広げて音楽を勉強することができるので、本当に嬉しく思っています。「情報障害」と言われている私たち視覚障害者ですから、このような辞典のおかげでかなり助けられています。
 これは、久石さんのご理解のおかげです。とても感謝しております、有り難うございました。有効に活用させていただきます。
 私は、国立音大のピアノ課を1995年に卒業し、当センターに勤めながら演奏活動を続けています。学校の音楽観賞教室や障害者関係のコンサートなどで、演奏とトークということでさせていただいています。
 また、久石さんの曲をコーラスやアンサンブルで演奏しますと、とてもみなさんに喜ばれ、客席と一体になれるので、こちらも興奮してきます。夢があって、草原のイメージが多く、私も久石さんの曲は大好きです。
 これからも、すてきな曲を沢山作って下さい。楽しみにしています。

「『音楽辞典』を寄贈していただいたお礼状」  狩野 真奈美

 久石譲さんと中央共同募金会のご好意により、「音楽辞典」を寄贈されたことを心から感謝しています。
 私は今、「授産施設」に通いながらそこで得た工賃で一人暮らしをし、高校生の頃から学んできた声楽を学んでいます。盲学校の音楽科と短大での勉強をふまえ、より中身の濃い演奏ができるようにと思いつつ学んでいます。声楽の勉強をする際には、「音楽辞典」を調べながら曲のことを考えたり知識を得る必要があります。辞典をいただいてから2回ほど使わせていただきました。今までは、誰かに辞書をひいてもらわなくては何も調べられなかったのですが、点字の辞書を手にすることで自分で調べたい時に情報が得られるようになり、心から喜びをかみしめています。
 この辞典は、ずっと大切に使っていきたいと思います。感謝の気持ちを込めて心から「ありがとうございました」という一言を最後に書き記したいと思います。

「視覚障害者支援総合センター様」  吉川 善卿

 本日音楽辞典届きました。こんな立派な本をいただけるなんてなんとお礼を申し上げていいか感謝でいっぱいです。久石先生をはじめ関係者の皆様ありがとうございました。ご好意に報いるようこの本を十二分に生かしてしっかり勉強させていただきます。用意しておりました書棚にぴったりと収まりました。早速序(第1巻はじめ)のところから読ませていただいております。
 私は高等学校の2年生のころからどんどん視力が落ち盲学校の理療科に進んだのですがそのころから音楽、特にヴァイオリンをやりたかったのですが、それまで学校で音楽を習っただけで何も音楽を習っていませんでしたし、そんな才能もなくゆとりも無く今日に至っておりました。ただ高等学校のとき修学旅行のために毎月学校で積み立てておりました費用を、皆が修学旅行に行っている間に引き出し(私は見えなくなったので旅行に行けなかったのです)そのお金で買ったヴァイオリンがその思い出と共に私の手元にありました。21世紀になったおととし57歳になって、よし40年前にやりたかったヴァイオリンを始めようと日本点字図書館、平井点字社、点字楽譜の会「ほし」「ぽこ」から点字の本をいろいろ買求め、点字楽譜の勉強をしながら、ヴァイオリン、ピアノの勉強を独学で初めておりますが、音楽用語などでわからないことがいろいろあり平井点字社の音楽辞典も買っているのですが、5冊もので載っていないことも多く困っていたところこんなプレゼントをしていただくことになり、なんと嬉しいことでしょう。ほんとうにありがとうございました。
とりあえず御礼の手紙を出しました。ありがとうございました。

「久石 譲様」  古賀 副武

 (前略)この度は、「新訂標準音楽辞典」(全88巻)が完成したことを、大変嬉しく存じます。そして、「音楽辞典」のフロッピー版(12枚)をお送りいただき、心からお礼申し上げます。個人でこのような大きな辞典を手元におくことができるとは、本当に驚きです。
 早速、「宮城道雄」の項を開いて読みました。改めて、宮城道雄の偉大さを知りました。宮城道雄は、神戸出身と聞いておりましたので、以前から親しみを感じておりました。また、「春の海」の曲も大変好きです。
 今後、機会あるごとに、この辞典を活用させていただきます。
 今後も、私達視覚障害者のために、お力添えくださいますようお願い申し上げます。
 言い尽くせませんが、一言お礼を述べさせていただきました。ありがとうございました。

倉沢仁子

 このたび、標準音楽事典CD-ROM版をいただきました、会津若松市の倉沢仁子です。まことにありがとうございました。ご尽力下さいました皆様方に、心より厚くお礼と感謝を申し上げます。
 わたしは、十数年前より、DTMを楽しんでおりますが、おぼつかぬ眼で墨字の音楽事典を引くことは、至難の業でした。しかし、この事典をいただき、これからはゆとりを持って調べ事ができ、この上ない喜びです。
 わたしが初めて久石先生の音楽にふれさせていただいたのは、「となりのトトロ」でした。宮崎先生の絵をさらにもり立てたその音楽は、わたしの乾きかけた心に深く沁み入ってまいりました。そしてその音楽がわたしに、忘れかけていた音への思いをよみがえらせてくれたのでした。わたしは54歳になりましたが、残された人生、小さな生き甲斐として、「音作り」、「曲作り」など楽しんでゆきたいと考えております。
 久石先生の温かいお心に厚く御礼を申し上げます。
 皆々様方に感謝いたします。ありがとうございました。

宮城県立盲学校 音楽担当 櫻井 智子

 (前略)この度は、本校生徒のために音楽辞典を贈っていただきありがとうございました。
 これまで辞典がなかったために、生徒が自由に調べることができず、教師が説明するだけで終ってしまい何とかしてやりたいという気持ちはあっても、どうにもできない現状でした。
 この度は大変なご苦労の末に辞典を完成させていただき、その上、寄贈までしていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
 これからは生徒もいつでもどういう項目でも、自由に調べることができるので、十分に活用させていきたいと考えています。
 このお仕事に関わっていただきました皆様に心からお礼を申し上げます。
 本当にありがとうございました。
 いつまでも大事に使わせていきたいと思います。
 感謝の気持ちを込めて、先ずはお礼まで…。

「久石譲様 高橋実様」 群馬県立盲学校教諭 牧野 惠子

 (前略)さて、この度は、『新訂 標準音楽辞典』CD-R版をご寄贈いただきまして、誠にありがとうございました。
 今まで、音楽辞典の点字版は全くありませんでしたので、点字使用の生徒は自ら調べることができませんでした。でも、このCD-Rがあれば、いつでも生徒が調べたいときに利用できるので、うれしく思っています。幸い、本校では昨年度、全教室にパソコンが入り、生徒たちはいろいろと学習に役立てることができるようになりました。ぜひ、音楽の授業はもちろん、ブラスバンドやロックバンドなどの部活や、その他いろいろな場面で活用させていただきます。本校の生徒たちはとても音楽が好きで、日常生活の中にも音楽を取り入れて楽しんでいます。また、感覚的にもよいものをたくさんもっているので、この音楽辞典を活用して知識としても裏づけられれば、真の音楽を楽しむことができると思います。
 音楽辞典が完成するまでの入力や校正、製本や製作のご苦労はいかばかりであったかと、ただただ感謝申し上げるしだいです。久石先生はじめ、視覚障害者支援総合センターの皆様、中央共同募金会のご好意を無駄にすることのないよう、私も盲教育に携わるもののひとりとして微力ではありますが努力したいと思います。
 本当にありがとうございました。

 このようにいただいた皆様からの声の数々は、全て「ユーザーからの感謝の声」としてファイルにまとめ、ご支援くださった久石さん、中央共同募金会の方にお渡ししました。

4. まとめ
 上でご紹介した以外にも、本当に多くの方々から「よかった」という声をいただきました。視覚障害者が情報を得るのに苦労するという声は耳にしていましたが、「音楽辞典」ひとつに対しても、こんなにも待ち望んでいてくださったのかと驚くと同時に、世の中には点訳されることを期待されている図書がまだまだ埋もれているのではないか、センターでも利用者のニーズについてもっと考えていかなければならないのではないかと思いました。今後も皆様に待ち望まれている本を出版できるよう、努力していかなければならないと思っております。
 またCD-R希望者が多かったことから考えさせられたことは、情報を「何で」得るのかということです。例えば点字書なのか、対面朗読か、テープかフロッピーディスクか、CD-RかDAISYか。パソコンの急速な普及もあり、個人にとってはますます選択の幅が広がる中で、データの提供も視野に入れた出版のあり方については、点字出版所であるセンターにおいても近い将来検討する必要に迫られるであろう問題だとあらためて感じました。

 最後になりましたが、本事業の有益性をご理解くださり、ご支援いただいた久石譲様、中央共同募金会の関係者皆様に感謝申し上げます。また、平素より当センターをご支援くださり本事業においても点訳、読合わせ校正にてご尽力くださったボランティアの皆様、校正に携わってくれたチャレンジ利用者の皆さんにも、紙面を借りましてあらためて感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。皆様、本当にありがとうございました。

(発送事務担当 尾田 真弓)

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