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2004年12月10日発行 第46号 社会福祉法人 視覚障害者支援総合センター

支援センターだより

皆さまへ

理事長 高橋 実

 今年は、近くは新潟県中越地震をはじめ、日本に上陸した10個の台風、猛暑に見まわれた各地で、予想できなかったほどの災害をもたらしておりますが、被害にあわれた皆様に対し心よりお見舞い申し上げます。10月23日の中越地震の折、ここ東京も、震度3とか4でセンター関係者も驚き心配していたようです。幸い土曜でチャレンジは休みでセンター職員も第1回専門点訳者実践養成講座で3人が出勤していましたが、事故には遭いませんでした。私は職員2人と大阪で、日本自転車振興会の助成を受けて実施します「社会参加促進事業・視覚障害音楽家のコンサートの準備会」で出かけておりましたので、報告とニュースを聞いて驚いていたほどでした。未だというよりまだまだ後遺症は残ると思います。寒さに向かう折から、くれぐれもお体に十分ご注意の上、お過ごしくださいますように願っております。

 その2004年も月日は流れて残すところ30日を切ってしまいました。厳しい社会情勢の中でセンターはますます厳しい運営を迫られております。しかし、支える会会員の皆様をはじめ、センターに深いご理解をくださる皆様のご支援で、予定通りの事業と取り組み、関係者の高い評価をいただいております。以下にその主なものをご報告し、感謝を申し上げると共に一層のお力添えをお願いする次第です。

1.法人役員の再任
 法人は1996年11月1日、社会福祉法人の認可を得て、理事と監事、評議員を、任期2年で委嘱しておりますが、この11月はその交代時期にあたっております。去る10月26日、評議委員会と理事会を開き、役員改選などについて審議しました。評議委員会で前理事と監事の再任を決めました。また引き続き開かれた理事会で、評議委員会の提案通り、向こう2年間の理事就任について賛同を得ました。また監事についても同様に了承されました。評議員については、センター職員から就任しております、チャレンジ補佐の加藤みさ子と雑誌編集長補佐の橋本京子に代わって、所長補佐の飯田三つ男と事務局長補佐の高橋和哉に交代した他は、全員の再任を提案し、了承していただきました。また理事長については5たび不肖、私が選ばれ、お引き受けしました。以前から、体力と精神力からくるものかもしれませんが気力にもむらがあって、できるだけ早く大役から開放され、うさぎ小屋のある大阪に戻って、俗界とは無縁の日々を過ごしたいと思い続けておりますが、なかなか思いは叶わずじまいです。

役員氏名一覧(50音順、敬称略)
理事長:高橋実
理 事:小川道子、島ア隆太郎、志村洋、谷合侑、星伊久江
監 事:粂野良二、藤本静男
評議員:飯田三つ男、岡田峰喜、小川道子、榑松武男、島ア隆太郎、志村洋、高橋和哉、高橋次子、高橋実、谷合侑、濱上清春、星伊久江、本間麻子

2.第2回チャレンジ賞とサフラン賞の受賞者決まる
 第2回チャレンジ賞とサフラン賞の受賞者を公募し、9月14日に選考委員会を開き、チャレンジ賞に、国立民族学博物館研究員の広瀬浩二郎さん (36歳)、サフラン賞に外資系通信社勤務でエッセイストの三宮麻由子さん(37歳)が全会一致で決まりました。選考委員は昨年同様50音順で日盲伝の阿佐光也主事、KGS株式会社の榑松武男代表取締役社長、日盲委の笹川吉彦理事長、日点図書館の田中徹二理事長、それに私の5人です。授賞式は1月8日(土)夕方、荻窪駅近くの中華料理店「東信閣」で開く、月刊『視覚障害――その研究と情報』創刊200号記念会の席上行う予定です。それぞれ、賞と賞金50万円、副賞としてKGS製ブレイルメモ16をお送りします。尚それに先立ち、午後1時から受賞者による講演会をお願いしておりますが、会場は「あんさんぶる荻窪」です。

3.点字教科書の製作・発行
 去る9月30日、17年度から4年間に渡って使用の、文部科学省検定著作の盲学校小学部点字教科書の入札があり、センターはより取り組みやすいと考えた国語と社会を落札することができました。今回から「点字教科書編集協力者会議」の傍聴が7回のうち6回まで認められ、社会には尾田真弓、国語には三上奈美恵の2人が参加し、学習しました。センターではかれこれ3年ぐらいはかかったでしょうか、文部科学省の厳しい教科書入札資格審査を受けて、ようやく13年度実施の入札から参加できました。その年度は小・中同時の入札でしたが、センターは中学の国語だけ落札できました。その中学の入札は17年度になる予定だそうですが、センターとしては2教科は落札すべく、教科の検討に入っております。高校は点字出版社間の話し合いで決めており、センターは14年度は情報Aと地理A、15年度は地学Iを受け持ち、今年度は棄権しました。点字教科書の安定供給ということがよく言われますが、地学などは初年度の今年、3セットしか注文がありませんでした。しかし私のモットーである学習支援ということで、これまで大学生のテキストや国家・地方の公務員試験や教員採用試験、介護支援テキスト、社会福祉士養成講座テキストなど、採算を度外視して取り組んできたのですから、それを拡大したという考えで正確・迅速をモットーに小・中・高の教科書にも努力を払っていきたいと、職員にもその理解と協力を求めています。

4.社会参加促進事業
 日本自転車振興会の助成を受けて、社会参加促進事業として視覚障害音楽家のリスト作りと、「競い合い、助け合う コンサート――羽ばたけ視覚障害音楽家たち――」を名古屋・大阪・東京でも開くべく、目下準備を進めております。12月から1月にかけて3ヶ所共通のチラシを作成し、広く皆様においでいただくPRをしていくつもりでおります。詳しくは別項にて。

5.月刊『視覚障害――その研究と情報』と『NHK今日の料理から』の継続発行
 雑誌『視覚障害』も4月、隔月刊から月刊に踏み切りました。定期刊行物は購読料の改定などがあると一時期にせよ読者が減少するものです。幸い本誌の場合、そのような減少も起きずに12月号を発行することができました。来る1月に創刊200号を迎えます。これは一重に、愛読者、本誌に情報提供としてご協賛してくださっている企業や福祉施設、快く毎号ご執筆くださっている関係者ら、数えきれないほどの皆様のご支援の賜物で、これを機に一層誌面の充実強化に努力して参ります。また、『NHK今日の料理から』も発行から丸2年を経過しました。期待されながらも購読者がもうひとつ伸びず、読者拡大の決め手がなく困っております。いずれにせよ、17年度は発行して読者の調理の情報を提供していきたいと思っております。

6.点字カレンダーの発行
 2004年度用として発行した「チャレンジ点図カレンダー」が好評であったことから、事情の許される限り「点図カレンダーはセンターから」というキャッチフレーズで毎年提供していきたいと考えております。2005年度も既に発売し、好評です。今回は星をテーマにしましたが、ぜひ贈り物にお手元に、この芸術品をお求めください。一部500円です。また、今後の参考にアイデアをご提供いただければ幸いです。

7.教科書点訳連絡会(仮称)準備会
 11月22日、日点図書館に8組織の関係者ら23人が集まって「地域の学校で学ぶ視覚障害児(者)が必要とする点字教科書等の製作」を行う機関・団体・個人またはこれに高い関心を寄せている人が集まり、相互支援、連携体制を確立することにより当該児童生徒の学習環境の充実を図り、もって視覚障害児(者)の自立と社会参加を支援することを目的にした「全国視覚障害児童生徒用教科書点訳連絡会」を旗揚げすることを決めました。私としても、長年努力してきました盲大生などへの学習支援、最近は盲学校点字教科書の製作発行などで取り組んできましたので、センターとして力量など事情の許される限りで支援体制に関わっていきたいと思っております。

8.受賞について
 チャレンジ賞とサフラン賞については2.の項でふれました。参考までに今年度視覚障害者が受賞した賞について、簡単にご紹介します。その前に、チャレンジ賞とサフラン賞についてコメントした一文が、ある点字誌に掲載されていました。これは、他の賞に関することを執筆した中でふれていることですが、私の「思い」と一致するものですから、無断でその部分だけをまず記しておきます。

「ところで、今年のチャレンジ賞には広瀬浩二郎さんと、サフラン賞は三宮麻由子さんに決まった。若い人を励ますための賞だけあって2人とも若い。この選考にはケチのつけようがない。2人とも日本の盲人の中では屈指の秀才と才媛であり、限りない可能性に恵まれた人たちなのである。2人はおそらく盲界のあらゆる賞をのきなみ受賞することになるだろう。2人に続く若い才能が次々に現れることを陰ながら祈る思いである。」

■第16回毎日国際交流賞に青木陽子さん
 中国で日本語訓練学校を運営する、アジア視覚障害者教育協会会長の青木陽子さん(42)が、第16回毎日国際交流賞に選ばれた。青木さんは一昨年第39回点字毎日文化賞を受賞している。

■第1回本間一夫文化賞に阿佐博さん
 日本点字図書館は第1回本間一夫文化賞に、点字表記の統一など日本の点字分野で多大な貢献を続けてきた前日本点字委員会会長(現顧問)阿佐博さん(82)を決めた。同文化賞は、同館創立者で昨年亡くなった本間一夫氏の業績を記念して視覚障害者の文化の向上に関して優れた業績をあげた個人・団体を顕彰する目的で創設。

■第22回鳥居篤治郎賞に中澤眞佐さん
 元京都盲副校長で京都ライトハウス創設者の鳥居篤治郎氏の業績を顕彰して創設した第22回鳥居篤治郎賞に、地歌箏曲の中澤眞佐さん(81)が選ばれた。

■第41回点字毎日文化賞に橋本宗明さん
 視覚障害者の文化・教育・福祉の向上に顕著な業績をあげた個人・団体を顕彰する、第41回点字毎日文化賞に、前ロゴス点字図書館長の橋本宗明さん(73)が選ばれた。橋本さんは長年に渡って在野の立場から視覚障害者の権利回復と社会参加の運動をリードし、その実現に大きく寄与したことが評価された。

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第2回「チャレンジ賞」「サフラン賞」受賞記念講演会のお知らせ

三上 奈美恵

 来る1月8日(土)、「あんさんぶる荻窪」にて講演会を開催いたします。
 視覚に障害がありながら職業自立し、視覚障害の文化の向上と福祉の増進に寄与しようとする意欲と情熱、信念をもつ若者を激励するため、当センターが昨年創設した「チャレンジ賞(男性)」・「サフラン賞(女性)」の第2回受賞者である広瀬浩二郎さん(36歳)と三宮麻由子さん(37歳)のお二人を講師にお迎えします。なお、この講演会は第13回「専門点訳者実践養成講座」後期課程の開講式も兼ねて実施いたします。

 チャレンジ賞受賞の広瀬浩二郎さんは大阪にある国立民族学博物館に研究員として勤務されており、民族学・日本宗教史を障害者の立場から研究されています。今年6月には岩波書店より刊行された『触る門には福来たる』も著しておられます。また、視覚障害者サッカーでは日本代表の初代キャプテンを務めるなど、スポーツも大好きとのこと。多方面に渡る活動をされています。

 一方、サフラン賞受賞の三宮麻由子さんは外資系通信社の編集部に勤める傍ら、エッセイストとしてもご活躍されています。著作も多数あり、さまざまな賞を受賞しています。中でも第2回NHK学園「自分史文学賞」大賞を受賞された『鳥が教えてくれた空』は、現在、集英社文庫からも刊行されています。執筆活動のほか講演活動も積極的に行っていらっしゃいます。

 偶然にも高校の同級生だったというお2人。講演会ではその頃のお話も含め、これまでのことから仕事のこと、将来の夢など、お2人それぞれの生き方についてお話ししていただきます。
 この講演会は視覚障害者に対する理解を深めるよい機会だと思います。養成講座受講生の方はもちろん、ボランティア活動をされている方をはじめ、ぜひとも多くの方々にお2人の講演を聞いていただきたい――そう強く願っております。当日は視覚障害関連の書籍等の展示即売も行います。
 たくさんの方のお越しを心よりお待ちしております。
 なお、当日のタイムテーブルについてはセンターのホームページでご確認いただくか、お電話等でお問い合わせくださいますようお願いいたします。

■講演会

日 時:平成17年1月8日(土) 午後1時〜5時(予定)
会 場:あんさんぶる荻窪 4F 第1〜3教室
講 師:広瀬 浩二郎氏「新触業開拓へのチャレンジ――座頭市流フィールドワーカーが観た世界――」
三宮 麻由子氏「心に元気、踏み出す勇気」
参加費:無料(どなたでもご参加いただけます。事前申込みは不要)

サフラン賞・チャレンジ賞とは…

 「サフラン賞」はこれまで45年に渡り、東京都杉並区内で視覚障害女性のために生活指導と三療の職業自立を実践されてきた(財)東京サフランホームが昨年3月に解散するにあたり、その実績と伝統、精神を継承する目的で若い視覚障害女性を激励するために、当センターが創設した賞です。その後、女性だけでなく男性にも同様の賞をという理事長の考えにご賛同いただいた点字機器メーカーのKGS(株)のご支援の下、男性版にあたる「チャレンジ賞」も開設することができました。全国を対象として毎年5月〜8月に公募を行い、男女各1名を選考委員会にて決定します。
 第1回チャレンジ賞は弁護士の渡邊岳さん、サフラン賞は(株)トミー勤務の高橋玲子さん、サフラン特別賞にはサフランホーム出身で三療業の中間直子さんが受賞されました。

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第13回「専門点訳者実践養成講座」後期講座のご案内

三上 奈美恵

 前期の受講生募集ではたくさんのお問い合わせをいただき、誠にありがとうございました。まもなく修了する本講座の前期課程ですが、各講座とも、受講生の皆さんの宿題にもくじけることなく熱心に取り組んでいらっしゃる姿には頭が下がります。

 今回は、後期課程(来年1月〜3月実施分)についてご案内をさせていただきます。講座内容は前期と同様の4つの講座(「日本語基礎」、「音楽」、「実践」、「情報処理・理数」)に加え、統合教育が話題になっている今、特別講座として「義務教育における点字教科書製作の考え方と書き方」を行います。

 後期の講座では、前期課程を踏まえ若干の変更がございます。前期では「情報処理・理数」を除く3講座は毎週1回3時間の講義を全7回としておりましたが、「日本語基礎」については従来どおりの形態に戻し、毎週1回2時間の講義を全10回とさせていただきます。受講をお考えの方がいらっしゃいましたら、その点についてご注意願います。なお、「情報処理・理数」は前期と同じく1回3時間・全5回とさせていただきます。

 現時点では、各講座の曜日と時間についてのみ決定しております。日程等詳細につきましては、ご面倒でもセンターまで募集要項をご請求ください。ご送付先(氏名・〒・住所・電話番号)についてお電話、FAX、Eメールのいずれかでお知らせくださいますようお願いいたします。募集要項ならびに申込書をご送付いたします。受講申し込みの締め切りは12月25日(土)とさせていただきます。
 5つの講座の曜日と時間は下記のとおりです。

(1)「実践」

対 象

パソコン点訳歴(3〜5年以上)のある方。パソコンによる点訳本製作を分担して行う。

定 員

10名以内

時 間

毎週月曜日 午後1時30分〜4時30分 全7回

開講日

平成17年1月17日(月)

講 師

雑誌『視覚障害』編集長補佐/点字技能師 橋本京子
視覚障害者支援総合センター 職員 佐藤實

(2)「音楽」

対 象

楽譜点訳を学ぶ。日本語点字をマスターしている方。

定 員

10名以内

時 間

毎週水曜日 午後1時30分〜4時30分 全7回

開講日

平成17年1月19日(水)

講 師

視覚障害者支援総合センター 職員/点字技能師 坂巻明子

(3)「日本語基礎」

対 象

点字をマスターしたい方。初心者歓迎。講座修了後、通信講座応用編に進む意思のある方。

定 員

15名以内

時 間

毎週金曜日 午後1時30分〜3時30分 全10回

開講日

平成17年1月14日(金)

講 師

視覚障害者支援総合センター 所長補佐/点字技能師 飯田三つ男

(4)「情報処理・理数」

対 象

情報処理・理数全般について学びたい方。日本語点字をマスターしている方。

定 員

10名以内

時 間

毎週土曜日 午後1時〜4時 全5回

開講日

平成17年1月22日(土)

講 師

筑波技術短期大学 教授 長岡英司氏

(5)「義務教育における点字教科書製作の考え方と書き方」

対 象

点字に精通している方。

定 員

15名以内

実施日

平成17年2月26日(土) 午後1時〜5時

講 師

京都ライトハウス情報ステーション所長 加藤俊和氏

 今回も開講式を兼ねた講演会を1月8日(土)の午後に実施いたします。会場は荻窪駅西口より徒歩3分の「あんさんぶる荻窪」4Fの第1〜3教室です。講師は第2回チャレンジ賞受賞の広瀬浩二郎氏、サフラン賞受賞の三宮麻由子氏のお二人です。講演会につきましては6ページをご参照ください。なお、この講演会は受講生以外の方でも自由にご参加いただけます。

 養成講座の内容等に関するお問い合わせは、担当の三上までご連絡ください。よろしくお願い申し上げます。

【お問い合わせ・ご連絡先】
   TEL:03−5310−5051
   FAX:03−5310−5053
   E-mail:mail@siencenter.or.jp

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視覚障害音楽家の活動促進事業(音楽家リスト作成及び音楽会の実施)

伊原 美喜

 平成16年度日本自転車振興会の補助をいただきスタートした本事業ですが、多くの方のご賛同、ご協力を得て、全国で活躍されている、あるいはこれから羽ばたこうとしている音楽家たちが掲載されるリストの骨格がまとまりつつあります。これと平行して進行しております、名古屋、大阪、東京で開催予定の、視覚障害音楽家のコンサート及び講演についての企画概要についても報告致します。

1.音楽家リスト作成
 まず第1次調査で、個人、学校、団体等に本活動について幅広く問いかけ、ジャンルやプロアマを問わず、全国で視覚障害を持ち音楽家として活動されている方のお名前を自薦・他薦していただきました。ここで集まった約450名(個人420名、グループ30組)の方に連絡をし、現在までに、本主旨にご賛同いただき、掲載を了承いただけた方が209名(個人175名、グループ34組)集まっております。センターでは、今から8年前の平成8年度に本事業と同様のリストを作成しています。前回のリストにお名前があった方々にもご連絡をしていましたが、残念なことですが、すでに現役を退かれた方や、もう音楽には携わっていないという方もあり、時間の流れを感じます。また一方で、現在は子育て中、療養中などの何らかの理由で休止中ですが、いずれはまた活動したいため掲載していただきたい、あるいは今後またこういう機会があったらぜひお願いしたいという声もいただき、大変力強く感じました。そして、本事業の特徴でもあります、これから「羽ばたく」若い音楽家の名前も、新しく追加することができ、非常に頼もしく、その将来の活躍を心より祈念する思いです。できる限り多くの方に情報をお送りしたのですが、何らかの理由で調査表を受け取ったがまだ返信していない、あるいは調査表を受け取っていないなどの方がおれらましたら、ご一報下さい。本リストは墨字4,000部、点字300部を印刷し全国の関連団体、自治体、学校等に幅広く配布する予定です。多くの方のお名前が掲載され、本リストが、視覚障害音楽家の方が大きく羽ばたく一助なりますように、またすでに活躍をしている方にとっては、さらに大きな飛躍を遂げることに少しでもお役に立つことになればと考えています。

2.音楽会の開催
 名古屋・大阪・東京で開催されるコンサートは、それぞれ、関西・東海・東京の出身、またはそこを拠点に活躍中の音楽家の演奏で企画される予定です。講演は、視覚障害を持ちながら音楽家として成功されている方からお話しいただきます。コンサートはすべて無料となっておりますので、ぜひ足をお運びください。その地域を拠点に、あるいはそこからの出身者として、これから羽ばたこうとしている音楽家のすばらしい演奏をぜひお聴きいただけますよう、できるだけ多くの方にご来場していただきたいと考えています。周囲の方へのご案内もどうぞ宜しくお願い致します。ちらしを作成する予定ですので、関心のある方は、センターまでご注文下さい。

(1)競い合い、助け合う コンサート in 名古屋――羽ばたけ視覚障害音楽家たち――

<日時> 2月5日(土) 13:00開演 16:30終了予定
<場所> 名古屋市港文化小劇場ホール
  〒455-0014 名古屋市港区港楽2-10-24 TEL 052-654-8214
<予定出演者>(50音順、敬称略)
バイオリン:稲葉 涼(名古屋盲学校中等部2年在学中)
ピ ア ノ:勝島佑太(高崎芸術短期大学卒、武蔵野音楽大学2年在学中、富山市出身)
ピ ア ノ:桑原良恵(大阪府立盲学校高等部3年在学中、岐阜市出身)
ギターと歌:永田雅紹(まさつぐ)(浜松盲学校卒、静岡県磐田市在住。ジャンル:ポップス)
講   演:金沢栄東(名古屋市在住。ギターとハーモニカ弾き語り)

(2)競い合い、助け合う コンサート in 大阪――羽ばたけ視覚障害音楽家たち――

<日時> 3月5日(土) 13:00開演 16:30終了予定
<場所> 大阪フィルハーモニー会館リサイタルホール
〒557-0041 大阪市西成区1-1-44 TEL 06-6656-7701
<予定出演者>(50音順、敬称略)
ボ ー カ ル:河本健二(大阪府大東市在住。ジャンル:ブラックミュージック)
ピ ア ノ:北村多恵(大阪音楽大学大学院修了、兵庫県川西市在住)
弾き語り:福本淳(きよし)(大阪芸術大学卒、シンガーソングライター。大阪市在住)
ピ ア ノ:松村英臣(大阪音楽大学大学院修了、大阪府大阪市在住)
尺   八:安田知博(立命館大学修士1年在学中、京都市在住)
     笛  :楊 雪元(よう せつげん)(長春大学特殊教育学院音楽科卒、京都府立盲学校在学中。中国出身)
講   演:梶 寿美子(京都市在住。筝、三弦奏者)

(3)競い合い、助け合う コンサート in 東京――羽ばたけ視覚障害音楽家たち――

<日時> 3月19日(土) 13:00開演 16:30終了予定
<場所> 杉並区立勤労福祉会館ホール
〒167-0034 杉並区桃井4-3-2 TEL 03-3301-0811
<予定出演者>(50音順、敬称略)
バイオリン:荒木唯子(桐朋学園芸術短大専攻科1年在学)
      (ピアノ伴奏:川津直子)
和 太 鼓:片岡亮太(上智大学文学部社会福祉学科2年在学)
      (篠笛:瀬戸洋平)
ピ ア ノ:木村りえ(フェリス女学院大学卒)
      木村りさ(国立音楽大学卒)
ピ ア ノ:坂巻明子(国立音楽大学卒)
バイオリン:白井崇陽(たかあき)(桐朋学園大学3年在学中)
フ ル ー ト:綱川泰典(武蔵野音楽大学卒)
  筝  :松田育子(東京芸術大学卒)
  歌  :読谷山(よみたんざん)こずえ(武蔵野音楽大学卒)
      (ピアノ伴奏:坂巻明子)
講   演:和波孝禧(たかよし)(ヴァイオリニスト。桐朋学園大学、東京芸術大学講師)

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パソコンとサーモフォーム購入費を助成していただきました

尾田 真弓

 この秋、当センターにとって大変ありがたい、2件の助成金の決定通知をいただきました。

 財団法人 東京メソニック協会様より「点字図書製作にかかる点字複写機サーモフォームと、点字入力・校正用パソコン及び点字・音声ソフト購入費」として1,524,787円を助成していただきました。

 財団法人 みずほ福祉助成財団様より「視覚障害大学生の学習支援活動にかかるパソコン、点字・音声ソフトの購入」費として、800,000円(それ以外に自己負担金187,789円)を助成していただけることとなりました。

 サーモフォームは、プラスチックシートを型の上におき、周りを密封して上から熱を加え、シートを柔らかくしたあと、下から空気を抜くとシートが型に密着し、型づけされたまま冷えて固まったものです。そもそもは点字の複写のために開発されたようですが、センターでは図の複写、特に高低差や質感を表すような図に効果的に用いています。購入から10年以上も経っていましたし、機械自体が外国製で修理のやりとりに時間がかかりますが、今後もますますサーモフォームに頼って触図製作をしていくことは決まっておりましたので、何とか新しいものを購入したいと考えておりました。
 点字図書製作用のパソコンも視覚障害大学生の学習支援活動用のパソコンも、当センターがこの事業をはじめてから、一度も買い換えることなく酷使してきたパソコンで、使用から5〜10年にもなり相当に古く、度々データを壊したり、ハードの破損が続くなど不具合が多く新しいものの導入が急務でした。

 そう考えていた折に、2財団よりそれぞれの事業に対し助成をしていただくことができました。また、2財団とも毎年当センターの盲大学生支援事業の根幹ともなる点訳介助事業にもご理解いただき、「奨学金制度」に助成していただいております。また東京メソニック協会様には、この2月に「立体コピー機と現像機」を助成していただいたのに引き続いて、視覚障害者福祉、とりわけ点字図書出版という業界へ多大なるご理解を賜っております。

 日頃から高橋理事長もいうように我々のような小規模零細施設では、購入費を自費でまかなうことが厳しい状況です。このようにご理解いただけます皆さまあっての当センターの事業、我々職員の日常業務だとあらためて感じ入る今日この頃です。
 既に使用をはじめた点字図書製作用のパソコンについては、Windows XP用の点字・音声ソフトをあわせて購入していただいたので動作が安定している上、数年前のパソコンに比べ、画面・本体ともに大きさが何分の1にも薄くなり、机にかさばる点字書が多くおけるようになるなど、編集・校正担当者からも使いやすいとの声があがっています。まもなくサーモフォーム、視覚障害大学生の学習支援活動用のパソコンも納入される見通しです。

 最後になりましたが、今回の各機器の導入に関しお世話になりました(財)東京メソニック協会様、(財)みずほ福祉助成財団様、潟vロトン様、テクノツール蒲l、日本点字図書館様、(株)システムソリューションセンターとちぎ様、ニューブレイルシステム蒲l、(株)高知システム開発様に紙上ではありますがあらためて感謝し、これからこれらを活用させていただくことで、お世話になったことへのお返しを少しずつしてまいりたいと思っております。ありがとうございました。

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合同レクリエーションでKGS褐ゥ学に埼玉・小川町へ

尾田 真弓

 去る9月23日(祝)、職員と利用者との合同レクリエーションが企画され、埼玉県小川町へ行ってきました。その報告をさせていただきます。
 参加者は理事長、職員7人、利用者3人の計11人でした。
 当日の日程は以下の通りでした。

小川町駅着、KGS(株)へ
KGS(株)着
    会社説明、製品の体験等
KGS(株)発
    日本五大名飯"忠七めし"の昼食「二葉」
    手漉き和紙の体験
    関東一のローラー滑り台
小川町駅発

 当日は秋の足音を感じる気候で、小川町駅で電車を降りると、ひんやりとした、自然さを感じる美味しい空気にふれてまず驚きました。職員と利用者のうち私以外は、電車に乗っている間に合流した様子でした。程なくKGS且ミ員の皆さんが迎えてくださり、車3台に分乗して本社へ向かいました。会社の案内や小川町の歴史を榑松社長自らしてくださり、お話しの中で今日のプログラムをなぞってくださいました。その後ブレイルメモ24、ブレイルノート46X、ドットビュー1、ドットビュー2を中心に、製品を実際に見せていただきました。職員の坂巻はブレイルメモ24、ブレイルノート46Xについては「製品が薄くていい。ピンが丸く柔らかくて、さわり心地がいい。セルの枠がなく平らで読みやすい」という感想を話していました。利用者からは「新しい製品をゆっくりとさわれてよかった」という声も聞かれました。
 一同、まだまだ時間があれば見ていたいという雰囲気でしたが、時間も迫ってきたため一旦昼食に「二葉」へ向かいました。五大名飯のひとつ"忠七めし"は、ご飯自体は海苔や柚子、ネギなどの薬味と出汁をかけていただく、あっさりとしていて風味を楽しむご飯で、それにお膳のついたコースをいただきました。

 ついで埼玉伝統工芸会館では紙漉きの体験をしました。木枠を持って専門の方に教えてもらって一人ひとり葉書を漉きました。館内では埼玉の他の地域の展示物を、同じ敷地内の"工芸の里"物産館ではお土産を、見て買って楽しみました。
 メインイベント(?)の仙元山見晴らしの丘公園に行き、関東一(全長203m!)のローラーの滑り台を滑りおりました。

 KGSの社員の方のケーナ演奏で、「赤とんぼ」「コンドルは飛んでいく」など数曲をあずまやで皆で聞きました。いつもの営業マンとはまた違う一面を知りました。マラカス担当の社員の方との呼吸もぴったりで、自然の木々に囲まれた中、アンデスにいるかのような雰囲気でゆったりした気分を味わうことができました。
 最後に展望台にのぼって小川町の街並みを眺めました。降りそうで降らない曇天でしたが、この頃にちょうど小雨が落ちたので、それをしおにKGS社へ、そして小川町駅へと向かいました。

 いつものことながら、その上特に今回は祝日にもかかわらず、私たち11人のKGS社見学をお許しくださった榑松社長、駅から1日おつきあいくださった社員の皆さま、本当にお世話になりました。ありがとうございました。日頃は点字ピンディスプレイを中心にした注文や問い合わせ等の電話連絡などでしか知らなかったKGS社、社員の皆さんをとても身近に感じました。

 残念だったのは、利用者の参加が少なかったことです。私自身、事前に思っていた以上に見学も食事も紙漉きも滑り台も楽しむことができました。また、杉並区とはまったく違った、澄んだ空気と自然を満喫できました。次回はより多くの皆で楽しみたいと思いました。
 以上、思いつくままに書きました。

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東京メトロ荻窪駅エレベーター利用者のモニターで社会貢献

チャレンジ施設長補佐 加藤 みさ子

 「交通バリアフリー法」の施行以来、鉄道の各駅で施設の改良が進められています。東京メトロ荻窪駅でも改良工事の一環であるエレベーターが設置されました。これにより荻窪駅の北口と南口間の横断が安全で便利となることが期待されます。
 このような改良工事は設備の設置をもって完了するのではありません。設置後実際に利用した感想をモニタリングし、その意見を設備に反映させることで、誰もが使いやすい施設となって改良は完了します。

 「チャレンジ」では日頃からリモコンや、エスカレーター、エレベーターの使い勝手についてモニターとして協力してきました。その縁もあって日立ホーム&ソリューション(株)より、東京メトロ荻窪駅の新設エレベーターのモニタリングへの依頼がありました。
 そこで11月12日に「チャレンジ」から読谷山こずえさん、大原光平さんがモニターとして参加しました。

 2人にはまず荻窪駅の現場で実際にエレベーターに乗降してもらい、エレベーター内外のパネルの操作性などについてモニタリングが行われました。次は荻窪駅上の「ルミネ」のエスカレーターのモニタリングを行いました。その後、日立ホーム&ソリューション(株)の担当者から2人に詳しい聞き取りがあり、2人は日頃の感想なども交えて率直な意見を述べていました。今回のモニタリングで述べた2人の意見が荻窪駅改良に一役買うことは、社会貢献のひとつのかたちと言えるでしょう。

 視覚障害者には、エレベーターやエスカレーターなどの設備単体のみでなく、その設備までのアクセスまでをも含めた利便性・安全性・情報などが必要です。このように真のバリアフリーは設備などのハード面に加えて、駅の利用者に接する駅側の対応などのソフト面の充実が欠けていては成り立ちません。これまで公共施設内の設備について、その設備や機器を受注したメーカーからのモニタリングをお受けしたことはありますが、公共施設からはその施設全体についての、モニタリングの依頼を受けたことはありません。「チャレンジ」は、このようなモニター活動を通して積極的に提言することで、社会的弱者と思われがちな特定の人々だけでなく、「誰にでもやさしい」ユニバーサルデザイン化された社会づくりに貢献するため、バリアフリーの個々パーツレベルにとどまらず、総合的な見地からのモニタリングにも関わっていきたいと願っています。

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公園を歩く会 バーベキューの巻

事務局長補佐 高橋 和哉

 10月24日(日)武蔵野公園、野川公園を歩いた後、バーベキュー(以下BBQ)をしました。
 暑い夏を除いて、これまで、月1回の割合で細々と、数名の利用者とあっちこっちの都立公園を歩いてきましたが、今回はボランティアの佐野さんが、野川公園概要の点字版を用意してくださったこと、参加する利用者が多かったこと、季節がいいこともあって、思い切ってBBQセットを購入し、盛大に行いました。

 場所取りから下ごしらえ、食べる最中と、「目」がかなり必要になるにもかかわらず、人が集まらず、参加する利用者が増えていくという、嬉しい悲鳴とともに、お先真っ暗状態にもなりました。しかし、私の友人が3名、センターのボランティアの方が2名、職員が1名参加して助けていただきました。
 早朝の場所取りから食事の下準備を友人2名で行い、利用者の手引をボランティアの佐野さん、河辺さん、職員の坂本と私で行い、BBQの最中は、河辺さんと佐野さんが中心になって、様々なものを焼いては、利用者の皿へ盛ってくれました。私たち、晴眼者でもBBQをすることは非日常のことで、楽しいものです。その非日常的な楽しさを参加した利用者の皆さんも共有できたのであれば、私自身の苦労は吹き飛びます。

金銭面でも苦しかったのですが、利用者の参加が多いことにもあって、センターからの補助も頂き、助かりました。

 最終的には、近所の方も参加し、視覚障害への理解を深めてもらったと思います。皆さんが楽しく食べて、飲んで、話している光景を眺めていると、お遊びとはいえ、このような活動は1年に1回くらいは、必要ではないかと感じました。青空の下でワイワイ、がやがやと食べることは、視覚がある、ないに関わらず楽しいもので、私のような人間は、そのお手伝いをしていかなければならないと実感しました。
 今回、ボランティアをしていただいた方々に真に感謝いたします。来年も宜しくお願いいたします。

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