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2010年3月6日発行 第63号 社会福祉法人 視覚障害者支援総合センター

支援センターだより

皆さまへ

理事長 高橋 実

 遅ればせながらと申し上げるのも失礼なことだと思いますが、今年も例年同様よろしくお願いいたします。

 この年末年始も旧臘29日の夜から新年の3日の昼まで、大阪のわが家で過ごしました。30日には京都から娘たち家族4人と、定着してしまったようにプラス子ども2人がやってきて餅つきでした。もちろん餅つき機ですが、あん餅、醤油、きな粉と、作ったり食べたりの大賑わいを久しぶりに味わいました。

 今年も除夜の鐘とともに初詣に出かけ、わが家から4、5分のところにある神社を皮切りに3カ所は参拝するのですが、どことも行列をつくっていて驚きました。塚本の神社は帰りにでも寄ろうと思い、遠くの十三の神社に行きましたらそこも行列で、仕方なく2、30分並んだでしょうか。帰りに立ち寄りましたらやはり行列が続いており、寒かったこともあって参拝せずに帰りました。従って今年の神頼みは1カ所だけになりました。

 今回も結果報告や今後の予定についてそれぞれの担当者からご報告して、支える会員の皆さまをはじめ関係者のご理解をいただき、お力添えをお願いしたいと思っております。何卒よろしくお願いいたします。

 専門点訳者養成講座はセンター発足と相前後して始めた歴史のある事業で、これまでは東京でのみ開いてきました。毎回感謝しているのですが、10週連続して行う講座に新幹線はもとより飛行機で1泊2日をかけて来てくださる受講者がおられ、嬉しい反面心苦しく思っておりました。それを解消したいという思いと点字の普及啓発を目的に、いわゆる出前の養成講座を開きたいと願っていましたが、資金面で結実しませんでした。幸い財団法人東京メソニック協会(メイスン財団)とケージーエス株式会社の助成が得られ、北海道旭川市で講座とコンサートを開くことができました。予想以上に喜ばれました。しかし地元の皆さまに準備から本番までお世話になりっぱなしで、果たしてこれで「センターの事業」と言えるのかとさえ思ったほどです。その中心になってくださっS.Yさんも、旭川から東京の講座に通っておられた1人です。義母に当たるS.Jさんは最初の頃の受講者でしたから、親娘してセンターを盛り立ててくださっているわけです。コンサートでは3年前まで札幌・名古屋・大阪・神戸・広島・福岡と毎年東京を含め3会場で開催してきましたが、今回同様地元の皆さまに「おんぶにだっこ」そのもので、心苦しく思っていたにも関わらず、「喉元過ぎれば」でまたご迷惑をかけてしまいました。

 前述しましたように今回は養成講座とコンサートと講演会を同時に開きましたので、なおのことご迷惑をおかけしてしまったわけです。特に2日目のコンサートには東京のコンサートに毎年札幌から手伝いに来てもらっている甥が「冠婚葬祭でも集まらないほど親戚が集合したもの……」と担当職員へのメールで書いていたようですが、7人の兄弟で2人しか生き残っていない姉をはじめ、20人くらいの親戚が出てきてくれましたので助かりました。その姉から「社会貢献かどうかはともかくとして、早く大阪の家に戻らないと奥さんの苦労は倍加する一方で気の毒だわね」と苦言を受けました。

 来る3月16日の役員会にどのような事業計画案を出そうかと、毎日頭を痛めております。それに秋には役員の改選があります。また全員に残っていただけるよう誠意を尽くしてお願いすることも、私に課せられた重要な課題です。

 センターは現在、職員は私を含めて14人、チャレンジ利用者は16人でフロアは2階3階4階合わせて300平方あまりのところです。発足して20数年も経ちますと色々なものが溜まり手狭になってきていることと、防災上からも1階を中心に作業したいと考えビルを探していました。「たすきと帯」ではありませんが思うような物件がなく、それに引っ越しの大変さなどから億劫になっていました。たまたま最上階の8階の一部を倉庫として借りられることになり、引っ越しは当分取り止めました。本当にご心配をおかけしたことをお詫びいたします。

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点字版鉄道地図帳、鋭意製作中です

輿水 辰春

 ここ数年、巷では鉄道ブームが盛り上がっていると言われています。過日、鉄道模型は右肩上がりに売り上げを伸ばし、昨年10月には開館2年目の鉄道博物館(さいたま市)の来館者が300万人に達したという報道を目にしました。振り返って自らの周囲を見渡してみますと、旅先で車両の写真を撮るのが趣味の人から、時刻表を読んで分析するのが好きな人、はたまた発車メロディや走行音を録音して集める人まで様々なタイプの鉄道ファンがいるものだと、改めて身近に感じたものでした。

 もちろん視覚障害の方にも鉄道ファンの方がたくさんいらっしゃいます(とても多く、びっくりするほどです!)。そうした方々と話をしていると、その鉄道知識の量と知識欲の旺盛さにいつも圧倒されてしまいます。

 そうした視覚障害鉄道ファンの方々の「知りたい」という欲求に、どこまで応えることができるかは未知数ですが、その一助になればとの願いから企画したのが点字版鉄道地図帳製作です。幸い、センターには一昨年に出版し、学習指導の現場でも高い評価を受けております点字版『基本地図帳――世界と日本のいまを知る』で培ったノウハウがありますから、そうした経験を活かしつつの製作作業です。

 日本国内全てのJR路線と旧国鉄・JRから転換した第3セクター路線を地図編と資料編に分けてまとめています。地図編(全1巻)では各路線の始発駅と終着駅および複数路線が乗り入れている駅を中心に全線を掲載。資料編(全4巻)では全ての路線解説、全駅、路線を走る主な車両を紹介する予定です。

 今年の11月1日。日本点字制定120年を記念して、世に送り出せるよう各セクションの担当者が取り組んでおります。今後も本紙上にて進捗状況について、お伝えしていく予定です。よろしくお願いいたします。

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チャレンジで得た3つの宝物

チャレンジ利用者 斎藤 健二

 私は昨年5月からチャレンジに入り、点字の校正や作業に携わっております。私には小さい頃から教員になりたいという夢がありました。これまでに北海道や東京で教員採用試験を受けましたが突破できずにいました。しかし、今年度実施の神奈川県の教員採用試験を受け、合格することができました。

 私は神奈川県立平塚盲学校に幼稚部から高等部普通科卒業まで在学しておりました。現在週2回、学習支援員として母校に行き、授業のお手伝いや点字の指導などをしております。

 私が教師になろうと思ったのは小学部6年生のときでした。当時、点字ワープロを教えてくださっていた理寮科の先生の授業が楽しくて、自分も教員になりたいと思うようになったのです。教科は決まっていませんでしが、中学部になり、英語の授業で外国人の先生と話す中で、言語を超えてコミュニケーションができる喜びを知り、英語に興味を持ち、英語の先生になろうと思うようになりました。

 高等部普通科を卒業後大学に進み、言葉についての研究をしながら、英語教員の免許を取得しました。自分の英語力を伸ばすため、大学卒業後カナダへ個人的に語学留学をし、英語や文化について学んできました。昨年度には筑波大学附属視覚特別支援学校で非常勤を勤め、教育実習の延長ではないですが、勉強させていただきました。

 私は一般の中学校で教師をしてみたいという思いもありますが、盲学校で教えたいという気持ちが強くあります。教師である一方、視覚障害者の先輩として後輩の生徒たちの役に立ちたいと思っております。

 私はチャレンジに来たのは、盲学校の先生になるには点字の力が必要だと思い、ゆっくりと校正をしながら勉強できると思ったからです。校正作業を通じて点字の奥深さや日本語について改めて考えさせられました。また、チャレンジに入ってから意識するようになったのですが、視覚障害に加えて他の障害を有する人たちとも接する良い機会だと思いました。作業や休憩時間を通して、色々な話をしました。現在、盲学校では重複の生徒が増えております。様々な障害について理解しておくことは絶対に必要なことです。チャレンジでそのような人たちと交流できたことは貴重な経験になりました。

 短い期間でしたが、たくさん学ばせていただきました。校正をしながらボランティアさんに色々教えていただき、社会勉強にもなりました。教員になってからも、チャレンジでの経験を活かしていきたいと思います。点字力アップ、様々な障害を持つ人たちとの交流、社会勉強、この3つはチャレンジで得た宝物です。

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「平成21年度 点字スクールin旭川」について

村上 晴香

 視覚障害者支援総合センターでは毎年点訳者を対象とした「専門点訳者実践養成講座」を開講し、今年で18回目を迎えました。視覚障害者の重複化や中途失明者の増加で点字使用者は減少傾向にあるといわれています。しかし、点字が視覚障害者の生活文字として必需品であることは今も変わりません。センターではこうした状況に一石を投じるべく今回初めての試みとして、今まで東京で行ってきました「専門点訳者実践養成講座」の特別講座を「点字スクール」として旭川で開講いたしました。

 23日は函館や帯広、北見、釧路など遠方から約70名の方が参加してくださいました。当センターのスタッフが少ないこともあり、会場となった旭川点字図書館の館長をはじめ職員や、旭川点訳朋の会会長の佐々木さんと会員の皆さまには会場の設営や受付など色々とご協力いただきました。

 24日も引き続き旭川点字図書館の職員や旭川点訳朋の会、当センター理事長のご親戚約20名の皆さまにもお手伝いいただき、リハーサルや会場設営を行いました。

 片岡さんの和太鼓の演奏では来場者約160名の会場が一体となって手拍子をしたり、声を出したりして盛り上がりました。出井さんの朗読や、斎藤さんのピアノ演奏も大変好評でした。

 このような事業を行えましたのも、ひとえに助成・後援・協力をいただきました関係各位の皆さまのおかげです。2日間で延べ230名の方にお越しいただき、盛会裡に終えることができました。ここに深く感謝申し上げますとともにご報告させていただきます。

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「点字スクールin旭川」点訳講座を担当して

「チャレンジ」施設長 飯田 三つ男

 日中でも氷点下の気温という厳しい寒さの中、会場となった旭川点字図書館には地元を始め、函館・帯広・札幌・北見など遠方からも大勢の皆さんが出席してくださいました。このような皆さんへの点訳講座は、「点字スクールin旭川」の初日(1月23日)に開講させて頂きました。

 定刻の13時30分より少し早く、私の自己紹介から講座を始めました。今回の講座には点訳歴45年の方、これから点訳を始めようとする方、点字ユーザー……といろいろな立場の方々がご出席くださいましたが、〈いずれにしても基本が大切〉という私の思いをそのまま反映させ、前半は@『点訳を長く続けるには』、A『点字機器と主な点訳ソフト』について講義させて頂きました。また、長く点訳を続けていらっしゃる方・お三方にもその体験談をお話し頂きました。皆さん20年以上点訳を続けていらっしゃる方々で、「点字ユーザーのリクエストに答えて行って来ました」、「素晴らしい指導者に恵まれ、3,000ページを目標に行って着ました」、「技術的レベルアップを図るため、いろいろと勉強している内に、気がついたら……」と、おっしゃっていらっしゃいました。

 質疑応答を行い、休憩を取った後、後半は、『誰もが戸惑う表記とマスあけ』について講義させて頂きました。主な内容は下記の通りです。

1.表記上注意を要するもの
2.マスあけ
@付属語の前のマスあけ
A付属語と形式名詞の使い分け
B形式名詞と接尾語の使い分け
C複合名詞のマスあけ
Dアルファベットを含む複合名詞のマスあけ
3.読点・中点を省略するか否か
@大凡の意味を表す時は、省略する
A外来語の切れ目を示す中点は省略する
B並列を示す読点・中点は省略しない
C一組であることを示すダブル・ハイフンはつなぎ符に置き換える

 最後に、質疑応答の中で行われた質問とそれに対する私の回答の内、主なものを以下に記します。

 Q:注意・図・イラストなどはその「章」の最後にまとめて入れていますが、よいでしょうか?

 A:教科書を始め、一般的にはそれが原文に出て来た所で、それにもっとも近い段落の部分に入れています。しかし、皆さんのレイアウトが依頼者からのものでしたら、それでよいと思います。

 Q:複合名詞の切れ続きについては……?

 A:『日本点字表記法』に則って書くことがベストだと思いますが、依頼者(点字出版所等)の指示に従うことも大切なことだと思います。

 こうして、本講座は17時過ぎに終了させて頂きました。

 皆さんからのご質問にお答えする中で、皆さんの「点字に対する熱意」を感ずるとともに、点字ユーザーとして感謝の念がこみ上げて来ました。

 最後に、「点字スクールin旭川」開催に当たって、多大なるご協力を頂きました旭川点字図書館の皆さまと旭川点訳朋の会の皆さまに心より御礼申し上げます。

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「点字スクールin東京」を終えて

三上 奈美恵

 旭川に続き、「点字スクール」の第二弾として、1月30日(土)・31日(日)の両日、東京・杉並区にある阿佐谷地域区民センターにて「点字教科書製作の考え方とつくり方」をテーマに「点字スクールin東京」を開催しました。

 今回は事前に「支援センターだより」で詳細についてのご案内ができませんでしたが、視覚障害関係のマスコミや地元の広報、朝日新聞(東京版)の「東京マリオン」で取り上げていただいたり、関東圏内の盲学校(特別支援学校)・関係施設へ案内を送付することで受講者の公募をしましたところ、点訳者の方や盲学校の先生など58名の方から参加のお申し込みがあり、遠くは佐賀県からお越しいただきました。今回の「点字スクール」の受講に際しては、理事長の、より多くの方々に受講していただきたいという思いから、通常の専門点訳者実践養成講座にある「支える会会員であること」という受講要件ははずして実施しました。そのせいかどうかはわかりませんが、参加者の半数以上の方が初めてセンターの講座を受講されました。

 1日目は、筑波大学附属視覚特別支援学校 中・高等部国語科教諭の原田早苗先生による「国語点字教科書製作の考え方と作り方」、同校 中・高等部数学科教諭の高村明良先生による「理系の教科書を点訳する時の配慮事項」についてそれぞれ講義が行われました。

 原田先生、高村先生は文部科学省から委嘱され、盲学校で使用されている点字教科書の編集に編集委員として長年携わっていらっしゃいます。数年前、私も小学部・中学部の国語教科書の編集会議を傍聴させていただきましたが、編集委員の先生方が原典(墨字原本)を児童・生徒のためにどのような点に配慮をして編集(加筆・修正等)していくのか、その過程を見聞きし結果的に製作にも関わることができたことは、その後の点字教科書を製作する上で大変役に立っています。

 そうした点字教科書を知り尽くされている原田先生のお話は、教科書の意味、視覚を中心に学ぶ児童・生徒向けに編集されたビジュアル化の進む教科書の現状といった教科書の概要から点字教科書を使う盲学校の子どもたちの状況まで多方面にわたります。その上で実際に中学の国語教科書を題材に多くの具体例を挙げて、点字化する上での工夫、漢字の音訓といった表現のしかた、図や写真の扱い(点図にするか、文章化するか、削除するか)などについて、ポイントを押さえてわかりやすく説明してくださいました。

 また、ご自身が点字教科書で学んでこられた高村先生は、最初に、教科書を点訳するにはまず教科書を使う人のことをよく知らなければならないし、発達段階にある読み手のことを配慮することが大前提だ、というお話をされました。先生の講義を聞きながら、実際に点図の棒グラフや表、塗りつぶし部分を触ってみて、見て理解することと触って理解することの差(違い)、触察する指の大きさなど子どもたちに合わせて教科書をつくる必要性を実感された方は多かったのではないかと思います。

 2日目は、「点字教科書製作に役立つ点図の描き方 指で読みやすい点図にするには・・・」と題し、滋賀県立盲学校 中・高等部社会科教諭の長尾 博先生にお話しいただきました。

 前半の、指で点図を読むということは紐をたどるように読む(=継時的にしか読めない)ことを受講者の方に体験していただく講義は、楽しい中にも、触覚の特性を指で図を読むことは一部分だけの情報を頭の中でつないで推測していくこと、と言われた先生のことばを大いに納得させるものでした。後半、理科・算数・数学・地理の教科書から点訳ボランティアの方が図形点訳ソフト「エーデル」を使って作成した具体例をもとに、点字ユーザーの立場から先生が図のポイントを示しながら説明をされると、会場からは何度となく「あー」という声とともに受講者の方たちの頷く姿が見られました。講座中にも紹介させていただきましたが、長尾先生の著書『パソコンで仕上げる点字の本&図形点訳 これなら教科書だって点訳できる』(有限会社 読書工房/2005年9月1日初版発行)でも、点訳をする上で悩みの多い図表のレイアウト等について、数多くの原図と点訳例(墨点字)が解説されています。

 三人の先生の講義は2時間という限られた時間ではありましたが、それぞれに学ぶことの多い有意義な時間だったのではないでしょうか。当日は、ごく一部ではありますが、センターで製作した点字教科書を中心に盲学校で使われている点字教科書と原典も展示し、受講された皆様にご覧いただきました。参加者の皆様がこの講座で学んだことを今後の点訳活動に活かしてくださること、一人でも多くの方が視覚に障害のある児童・生徒のために点字教科書製作にご尽力くださることを願っております。

 最後になりましたが、今回お忙しい中、講師をお引き受けくださいました、原田先生、高村先生、長尾先生、そして「点字スクール」開催にあたり、ご助成くださいました財団法人 東京メソニック協会(メイスン財団)様ならびにケージーエス株式会社様に紙面をかりて心より御礼申し上げます。

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専門点訳者実践養成講座 まもなく終了

三上 奈美恵

 昨年の8月22日(土)の開講式よりスタートしました、第18回 専門点訳者実践養成講座も来月16日をもって全9講座が終了いたします。これまでは毎週1回の開催でしたので「日本語応用」以外は年内に終了していましたが、今回は外部講師の先生方のご都合で月2回の講座もありましたので、一番長い講座では半年にわたって行われました。

 今年度の養成講座は、当初、なかなか助成先が決まらず、規模を縮小しての開催も考えておりましたが、8月に財団法人 東京メソニック協会(メイスン財団)様からご助成いただけることが決まり、また、ケージーエス株式会社様からもご助成いただきましたおかげで、通常講座のほか特別講座の「点字スクール」も2箇所で開催することができました。

 通常講座につきましては、次の7講座を実施し、延べ75名の方が参加されました。以下、簡単ではありますが、講座名:講師/受講者人数/実施期間/実施回数について報告いたします。

@日本語基礎:飯田三つ男(「チャレンジ」施設長)
12名/2009年9月3日〜12月10日/全10回
A日本語応用:飯田三つ男(「チャレンジ」施設長)
14名/2010年1月12日〜3月16日/全10回
B英語:乙川利夫氏(国立障害者リハビリテーションセンター学院 講師)
6名/2009年9月3日〜11月26日/全10回
C理数:田中 仁氏(東京大学大学院数理科学研究科 特任助教)
9名/2009年9月11日〜2010年2月5日/全10回
D点字校正:高橋恵子氏(視覚障害者総合支援センターちば 所長)
21名/2009年10月24日〜12月19日/全3回
E音楽基礎:坂巻明子(センター職員)
3名/2009年9月1日〜11月17日/全10回
F邦楽:澤村祐司氏(箏曲家)・アシスタント 阪元沙有理さん
10名/2009年10月14日〜2010年2月24日/全10回*点字楽譜利用連絡会との共催

 「点字スクール」(旭川・東京)での参加者の方を含めると、今年度は延べ300名もの方々が専門点訳者実践養成講座に参加してくださったことになります。詳細については未定ですが、来年度も本養成講座は実施する予定です。視覚障害者のために専門点訳に携わる方が一人でも多く増えるよう、これからもセンターはこの事業に力を入れて取り組んでまいります。少しでも多くの講座を開講できますよう、助成団体様のお力添えを切に願う次第です。何卒よろしくお願い申し上げます。

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長野県からも講師依頼が!

坂巻 明子

 昨年の11・12月の2回、長野県木曽町社会福祉協議会からの依頼で、木曽町立日義小中学校及び木曽町立福島小学校の2校に行きました。ここ最近の小学4年生の国語の教科書に、点字に関する教材が掲載されていることもあり、全国の小・中学校では福祉の勉強をかなり取り入れているようです。そういうこともあってか、当センターにも視覚障害に関するトークや点字・アイマスク体験をして欲しいという講師依頼が少しずつ増えてきています。

 今回私は、職員の三上奈美恵とともに出かけました。福島小は都心の今の小学校のように全校生徒は250名という割合大勢でしたが、日義小中学校は小・中合わせて300名以下という人数でした。どちらの学校も生徒の集中力の高さと熱心な学習ぶりに心が打たれました。

 内容としては、私が「視覚障害者として」ということで、学校生活において普通の学校にはない授業(歩行)の話や、バリアフリー製品の話、どういうことに困っているのか(活字文書《特に郵便物の仕分けについて》の情報取得、点字ブロックの上に自転車などが置かれて歩きにくいこと)などを小学生対象の場合と中学生対象の場合とで内容を変えてトークをしました。また、当センターが製作した、点字教科書や地図に触れて貰うことで、視覚障害学生がどのように勉強しているのかを少し知って貰うこともできました。

 体験としては、点字導入を三上を中心に行いました。これは低学年が対象だったため、6点の丸が書かれた紙を利用して、自分の名前の点を塗りつぶして点字の仕組みや形を知ってもらう体験です。また、小学校高学年と中学生対象にアイマスク体験も三上中心で行いました。学校内の平坦なところを歩くだけではなく、階段の上り下りも加えました。

 どの項目においても生徒の素直な様子が伝わってきて、特にアイマスク体験では視覚障害者にどのような声かけが必要かを実感したようでした。手引きをする側になったとき、「階段です」とか「右に曲がります」など色々な情報を伝えるという大切さを知ってもらえたようでした。

 トークや体験のほか、私のピアノソロを聴いてもらったり、生徒さんとともに合唱をするなどというリラックスした時間も取り入れました。音楽の教材でつかわれている「Believe」をリクエスされる学校が多く、今回もこの曲を歌いました。元気がメインな学校や、ハーモニーに気を使う学校など様々ですが、今回長野では素直な生徒の心が伝わってきました。

 障害者とふれる機会を通して、子どもたちの心の中に温かいものが育ってくれて、更に今後の生活において役立つものになってくれたらと思います。

 このような機会が今後更に増えてくれることを期待します。

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昭和会館さま、清水基金さまより助成をいただき、
チャレンジの施設整備を進めています

橋本 京子

 新年1月、何よりの朗報を2ついただきました。昭和会館様と清水基金様からご理解をいただき、「車椅子対応トイレへの改修工事費(工事費満額の108万6750円)」と「点字製版機ブレールシャトル購入費(460万円 総事業費4分の3)」を、それぞれご助成いただけることになったのです。

 「車椅子対応トイレへの改修工事」については、ここ2年来、喫緊の課題でした。チャレンジでは、平成18年の障害者自立支援法施行により視覚障害に限らず地域に暮らす障害者に開かれた施設運営への移行ということで、精神障害や肢体障害の方々も受け入れての施設運営を進めています。しかしながら所内は車椅子の方が利用できる環境ではありません(賃貸中のKeiビルには車椅子用のトイレがないのです)。そのような中、養護学校を卒業したての車椅子の方から通所の希望があり、トイレの不便さから午前約3時間に絞った通所が開始されて早2年が経とうとしています。

 話が変わるようですが、当法人では点字で学ぶ視覚障害学生や職業自立を目指す点字使用の方々向けに点字教科書や点字参考書を製作し、ほぼ毎年「点訳講座」も開講し点訳者の要請に取り組んでいます。今年この講座に車椅子を利用される方が受講されました。お申込いただいた時点で車椅子用のトイレが無い旨をお伝えしますと「自分も何かお役に立ちたいので、駅の障害者用トイレで用を済ませて講座に伺いますから是非参加させてください」とのお申し出。無事、約半年間の受講を済まされましたが、障害者支援施設自らにバリアがあるという大変申し訳ない状況でした。

 長びく不況下で一般の雇用創出さえ難しい昨今、障害を持つ方の社会参加や就労の場の確保は簡単ではありません。チャレンジ利用者と養成講座受講者、この2つの件で様々な障害を持つ方のニーズに応えていくという私たちの使命を再認識し、トイレ改修費の助成申請に至りました。工事は2月11日より始まりました。車椅子が出入りできるよう入口ドアを拡張し、室内で方向転換できるよう中扉を撤去、さらに車椅子の車輪が入り込める形に洗面器を取り替え、便器も低いものに付け替える、必要な手すりを設置する等あちこち手を入れ、それらに伴い床面と壁紙の張り替えも計画しています。工事でフロアのトイレが使えなくなると不便でならないだろうとの理事長の思いから、計画当初は法人本部のある4階トイレの改修を予定していました。しかし現実問題として現場に近い4階よりやはり2階を改修して有効活用させていただくのが良いのではと検討しなおし、工期の11日間は、利用者やボランティアの方々には他フロアのトイレで凌いでいただいて2階への設置を実現させようということになりました。目下、土日無しに工事業社が出入りし、天井に穴をあけるドリル音などの喧騒の中、新しいトイレの完成を一同で心待ちにしています。

 さて、清水基金さまから助成をいただけることになりました「全自動点字製版機ブレールシャトル」ですが、こちらは早速製造元の小林鉄工所に発注し、無理をお願いし3月中旬に機械を納品していただけることになりました。機械総額は707万7千円という高額の機械です。実は平成10年にも馬主財団さまのご助成により初めて同種の機械を1台配備いたしました。以来これを教科書や便利帳の製版などでフル活用していますが、1台に頼り酷使する状態では「もしもいま故障したら‥‥」と繁忙期は特に不安を抱えての毎日です。「何とかもう1台の導入を」とチャンスを探していました。今度購入させていただく最新シャトルは、最近流行りのA4判の製版にも対応し、センターの1号機よりもだいぶ丸みのある良い点が打てるようです。点字の形状は読む指に直接情報を伝える肝であり、ふっくらと丸い点字は何より心地よいもの。点字出版所として喉から手が出るほど欲しかった新しい製版械との対面を、今から胸が膨らむ思いで待っています。

 今回のご助成により、利用者の作業環境の改善と視覚障害者への情報提供という責務の実を上げられますことを大変嬉しく思います。ニーズにあった施設・サービス提供により励むことが今回の助成のお礼となるものと思い、一同一層努力してまいります。昭和会館さま、清水基金さまに重ねてお礼申し上げます。

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