[戻る][ホームページに戻る]

2010年5月10日発行 第64号 社会福祉法人 視覚障害者支援総合センター

支援センターだより

皆さまへ

理事長 高橋 実

 寒さ暑さも彼岸までとか三寒四温とか言われてきましたが、これも温暖化のせいでしょうか。初夏の到来かと驚くような気温だったり、立冬かと思わせられたりの寒い日との繰り返しで、それが現在も続いています。皆さまいかがお過ごしでしょうか。体調には充分ご注意の上お過ごしください。

 私は、盛岡時代は「ブルドーザー」と言われたり、新聞社時代は「鬼高」と言われたりしましたが、仕事には厳しく(案外自分には甘いのかもしれませんが)指示しますが、体調だけは本人でないとわからないことが多いものですから「健康管理は自分で責任を持ってするように」と職員には口うるさく言います。

 「触図やグラフを描かせたら日本一」という職員がいます。お話ししたかもしれませんが、彼は私が大学生で会の事務所とリーディングサービス(今の対面朗読)を受けていた場所であったヘレン・ケラー協会の職員で、仲良しだったものですから、定年後「応援しよう」と言ってセンターに来てくれました。その彼も後期高齢者に突入しています。「チャレンジ点図カレンダー」も私の発想にすぐ応えて、描いてくれた作品です。この世界で押しも押されもしない彼の技術を継いでいかなければならないと、専ら女子職員に時間を見つけながら教えてくれるよう頼んでいます。

 私事になりますが、忘れっぽくなったと言いますか、記憶喪失なのかは定かでありませんが、年には勝てないと弱気になっていましたら、なんと新藤兼人監督が98歳でまた監督で映画を作るという元気な声を耳にして、「少なくとも私も記念事業までは」と鞭打ちながら、不謹慎なのかもしれませんがアルコールを嗜んでおります。

 今年度の事業計画については後述しますが、これを結実させるためには物心両面で数え切れないほどの人たちに支えていただかなければならず、心苦しく思っております。特に財政面では国の助成も補助もいただいていませんので、いわゆる「事業仕分け」を心配することはありませんが、助成団体にはこれまで以上にご無理を申し上げ、ご支援をいただかなければなりません。努力を続けてまいりますので何卒よろしくお願いいたします。

 詳しくは事務局長の近藤からご報告しますが、センターを支える会会員であった池とし子さんが亡くなられて、その遺産相続の一部をいただきました。池さんのお考えをご遺族に伝えてくださっていたのだと思います。私たちの感謝の気持ちが届いてくれることを願っております。またご遺族の皆さまにも厚くお礼申し上げます。

 これは本当に残念なことですが、センター法人取得前からお力添えをいただいております株式会社エポック・アイ(大阪、濱上清春代表取締役社長)から、新年早々「福祉事業部門の通信販売で売上の5%を手数料としてお渡ししてきましたが、複数年にわたる社会不況と障害者団体の不祥事などが報じられたりして実績が上がらなくなったので、昨年末で取り止めさせていただきたい」という申し出が電話でありました。確かにこの3年間の実績を見ますと、19年度は215万5650円、20年度は197万7070円、21年度は65万2380円です。たぶんお客様とのトラブルもあったでしょうし、センターにも誤解されてクレームが何件か来ていました。それほどに大変だったと思います。重ねてお礼を申し上げます。またチャンスが来ましたら是非形を変えてでもご支援ください。

 会社は大阪の私の家からタクシーで2500円前後のところにありますので、3月末お礼方々社長とお目にかかり、帰りはいつもの通り新大阪駅まで送っていただきました。ご兄弟に視覚障害の方がおられ、大学生時代から私は存じ上げており、その彼は現在公務員で理療科の教師をしております。そんな仲ですから彼の紹介で法人になるまでの拠点だった成田東のセンターにおいでいただき、社長から「お手伝いすることがありましたら」と言われ、早速飛びつきました。

 古い話で復習になりますが、センターの社会福祉法人認可の要件として大きく3つがありました。1つ目は事業内容、2つ目は建物が耐火建築であること、3つ目は1億円(当時)の基金を積み立てることでした。事業内容については役所に私はいつも「充実し過ぎて余って返る」と豪語していましたし、耐火建築の建物は基金の見通しさえつけば移転できる。難問は1億円でした。

 今でもよく覚えていますが、1960年毎日新聞に入社したときの初任給は2万円で、飛び上がるほど喜んだものです。その頃は教師より給与は良かったように思います。毎日もそこらが頂点だったのではないかと思います。私が定年退職の1986年頃はどん底近くで、退職金も1000万を軽く割りました。従って文月会の図書売り上げと合わせても、目標額には到底及びませんでした。幸い朝日、毎日、読売など各紙が私の思いを時折取り上げてくれましたので、書き損じ葉書や未使用の記念切手、寄附などを途切れなく送っていただいたり、都内・高田馬場駅前を皮切りに荻窪、新宿、渋谷、名古屋、京都、大阪、神戸などで募金活動を始めて、1996年初めには9200万円までできました。そんな折、濱上社長が来られたので「800万円」の話を持ち出しましたら、「喜んで出させていただきましょう」と言われました。それで1億円になり、東京都と詰めの話に入り、5月に現在のビルに移転をして、認可を点字記念日である11月1日にしてくれるようお願いして、当時の「念願」が結実しました。その後は前述しましたように毎年送金していただいていたのです。重ねてお礼申し上げます。

 月刊『視覚障害――その研究と情報』をお読みくださっている方は、私が毎号書いております「編集後記」を読んでいただいているかと思いますのでご承知でしょうが、点字教科書の編集と発行もセンターの大きな仕事になっています。私が大学進学をしました1954年には先輩諸氏が組織された日本盲大学生会というのがあり、私もその7月全国委員に選ばれ「全国にある全ての大学が視覚障害者に門戸を開放すること」「学習環境の整備」「視覚障害者の職域拡大」などの運動にのめり込みました。卒業後2年間は就職浪人で定職もありませんでしたので、ひたすら家内と聖明福祉協会理事長でいらっしゃる本間昭雄氏ご夫妻や既に亡くなられた日本点字図書館創設者本間一夫氏ご夫妻のお世話でアルバイトを懸命にやっていましたので、運動には全く関われませんでした。

 1960年、待望の毎日新聞大阪本社点字毎日に入社してからは、仕事としても学生時代の運動を継続して、定年後の1986年からは上京して運動の集大成として現センターを立ち上げ、今日に至っています。

 私はセンターの職員である以上、視覚障害者理解の第1歩は点字を覚えること、特に担当者は点字に精通していなければならないといつも口うるさく言っております。また文字としての点字を覚えるのは、視覚障害児は点字の教科書が始まりと私は思い、点字教科書製作に関わることが必須だと考え、2000年に文科省の厳しい資格審査をクリアして、2001年から盲学校用点字教科書著作本の入札にも参入しました。著作本は文科省が盲学校の先生や学識経験者を委嘱して編集委員会を組織。検定本から遠ざからないようにしながら視覚障害児童・生徒に理解しやすいようにした教科書が入札にかけられ、落札後、編集や校正段階でとことん特訓されますので、編集スタッフの力は断トツになります。そのおかげで2004年からは地域の学校に学ぶ視覚障害児童・生徒の教科書作りにも関わるようになりました。また昨年から理数の補助教材の入札にも参加しています。学習指導要領の改正で小学校は平成23年度から、中学校は24年度から、高等学校は25年度から新しい教科書に変わりますので、その入札にも積極的に参加して社会に貢献するとともに、職員の質の向上にも努めたいと思っております。

 しかし歴史と実績を持つ大手出版社ばかりのこの世界ですから、並大抵の覚悟ではついていけないでしょうが、誠心誠意努力してまいりますので一層のご支援をお願いいたします。

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

故・池とし子様より遺贈を受けました

近藤 義親

 視覚障害者支援総合センターを支える会の会員の池とし子様(東京都小金井市)が、平成21年8月1日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 故・池とし子様は生前に遺言公正証書を、遺言執行予諾契約を結ばれたみずほ信託銀行に預けておられましたので、遺言執行者として同行より、遺産の一部が当センターに寄附される旨の連絡があり、諸手続を経て、この3月24日に遺贈を謹んでお受けいたしました。

 池とし子様は大正15年1月1日のお生まれで、83年のご生涯でしたが、当センターへのご支援を心に留められ、ご芳志を遺されたことに、心からの感謝を捧げたく存じます。

 当センターは、支える会の皆さまを始め、多くの方のご支援をいただいております。幸い、当センターの点字教科書出版、雑誌「視覚障害」の発行、点字図書出版、啓蒙図書発行、啓蒙活動等の諸活動は、高橋理事長のご指導と職員一同の努力により、社会的にも大きな評価をいただいており、池とし子様や皆さまのご支援にお応えするものと信じております。

 これからも職員一同、センターの活動に邁進し、その成果を池様のご霊前に捧げ、霊の安らかなることをお祈りいたしたく存じます。

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

平成22年度 奨学生決定

奨学生リクエスト担当 伊瀬 飛鳥

 奨学生となられました17名の皆様、大学合格ならびに奨学生決定、本当におめでとうございます。これからの学生生活を、この奨学生制度を大いに活用しながらお過ごしください。(50音順、敬称略)

みずほ福祉助成財団 盲学生点訳介助事業 奨学生(5名)
瀧本 香奈子   上野学園大学 短期大学部 音楽学科
高谷 春菜    日本福祉大学 社会福祉学部 社会福祉学科
竹本 登久子   くらしき作陽大学 音楽学部 音楽学科
富岡 美晴    大阪音楽大学 短期大学部 音楽学科
増谷 有佳    京都外国語大学 外国語学部 英米語学科

メイスン財団 盲学生点訳介助事業 奨学生(10名)
大関 秀正    東洋大学大学院 経済学研究科 経済学専攻
大月 裕夫    武蔵野音楽大学 音楽学部 器楽学科
小島 彩音    京都光華女子大学 文学部 英語英米文学科
川野 静香    筑波技術大学 保健科学部 情報システム学科
岸田 典子    立命館大学大学院 先端総合学術研究科 先端総合学術専攻
田中 友梨    関西大学大学院 心理学研究科
平山 健太郎   立命館大学大学院 産業社会学部 人間福祉学科
山ア 咲江    洗足学園音楽大学 音楽学部 打楽器コース
吉岡 久美    奈良教育大学大学院 教育学研究科 教職開発専攻
ロイ・ビッショジト  佛教大学 文学部 英米学科

聖明・朝日盲学生奨学金 奨学生(2名)
市川 千尋    都留文科大学 文学部 社会学科
浦郷 こずえ    二松学舎大学 文学部 国文学科

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

「競い合い、助け合う コンサート2010」セシオン杉並にて開催決定!

村上 晴香

 今年度も財団法人JKA(旧・日本自転車振興会)の助成を受けまして「競い合い、助け合う コンサート2010――羽ばたけ視覚障害音楽家たち」を、来る10月9日(土)セシオン杉並にて開催いたします。今年が7回目となり、年1回東京でのコンサートも定着してきた感もありますが、より多くの皆さまに会場へ足をお運びいただき、若い視覚障害音楽家の方々の演奏に耳を傾け、視覚障害者に対するご理解とお力添えをお願いしたいと思っております。

 今年の会場はセシオン杉並ホールとなりました。次の4組の方々にご出演いただきます。第3回サフラン賞受賞者でソプラノ歌手の澤田理絵さん、第6回チャレンジ賞受賞者で津軽三味線奏者の踊正太郎さん、邦楽家で昨年に引き続きセンター主催の専門点訳者実践養成講座の邦楽講座の講師をしてくださいます澤村祐司さん、そして毎年賛助出演していただいております女声コーラスのコール・トゥインクルスターの皆さんです。

 このような趣旨のコンサートは通常の宣伝活動をしてもなかなか来場者が増えません。視覚障害者が音楽家として活動していくには、チャンスとチャレンジの場が少ないのが現状です。理事長の思いをご理解いただき、皆さまにも是非宣伝にご協力いただきたいと思います。チケットのお求めや売り捌きにご協力いただけるという方は、是非センターまでご連絡ください。墨字チラシは6月初旬、点字チラシは6月下旬完成予定。チケットは7月発売開始予定です。

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

第19回専門点訳者実践養成講座の開催について

村上 晴香

 本養成講座は1988年よりほぼ毎年開催しております。今年度も東京メソニック協会(メイスン財団)の助成を受けることができ、開催できる運びとなりました。

 昨年は7講座を開講し、75名の方が受講してくださいました。また、旭川と東京で開催しました「点字スクール」を含めると延べ300名近くの方々にご参加いただきました。

 今年度は6月12日(土)に杉並区内の公共施設にて開講式を開くべく準備を進めております。講師は京都ライトハウスで校正にも携わっていらっしゃる野々村好三さん、大阪府立夕陽丘高校教諭の有本圭希さんです。お2人とも視覚障害のある方です。

 その開講式の後、順次各講座を開講していく予定です。現在開講する講座の講師・内容等日程も含めて検討している段階ですが、「日本語初級(日本語基礎)」、「日本語中級(日本語応用)」、「実践」、「英語」、「音楽基礎」などできるだけ多くの講座を開講できるようにと思っております。また第17回より点字楽譜利用連絡会と共催で「邦楽」講座を開講しておりますが、今年度も共催で実施いたします。

 ご関心のある方は「養成講座要項希望」として、担当の村上までFAXかメールにてお名前・ご住所・お電話番号をお知らせください。要項が出来次第お送りさせていただきます。また、点字通信教育も行っております。(担当:伊瀬)詳しくはセンターまでお問い合わせください。

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

日本点字制定120年記念エッセイ募集のお知らせ

輿水 辰春

 当センターでは、“点字の考案者”ルイ・ブライユ生誕200年と“日本点字の父”石川倉次生誕150年を記念して、2回にわたって「点字」に関する作品を募集して参りました。視覚障害者支援総合センターを支える会の皆さまをはじめ全国から多数のご応募をいただき、また、優秀作品を集めて発刊した2冊の作品集はたくさんの皆さまにお読みいただいております。

 ルイ・ブライユの考案した6点式点字がフランス政府により公認されたのが1854年。当時の日本は幕末でした。その後、西洋の文化・文明が日本に入ってくる中で、盲教育の分野にもたらされたのがブライユの点字です。東京盲唖学校の教師であった石川倉次や同僚の教師、そして生徒たちは、アルファベットを表すブライユ点字で日本語の50音を表せるように創意工夫を重ねました。その努力の結果、今より120年前の1890年11月1日の第4回点字制定会議で日本点字が採用、制定されました。

 センターでは、日本点字の制定120年を記念した企画として、ケージーエス株式会社の榑松武男代表取締役社長にご協力いただき、「点字」に関するエッセイを募集することになりました。日本点字の120年を振り返り、皆さまと点字との関わり、そしてこれからの点字を改めて考えるきっかけになれば、そして点字をさらに普及させていくためのきっかけになればとの思いから募集するものです。

 詳しい応募要項はこちらに掲載しておりますので、ご確認のうえ、ご執筆・ご応募ください。その他、お問い合わせは公募エッセイ担当の輿水まで。皆さまの作品をお待ちしております。

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

第8回チャレンジ賞・サフラン賞 候補者公募のお知らせ

村上 晴香

 今年もチャレンジ賞・サフラン賞の候補者公募がスタートいたしました。昨年の第7回は青山学院大学非常勤講師の伊藤丈人さん、読売新聞東京本社ヘルスキーパーの大日方久美子さんが受賞されました。

 当センターホームページにて応募用紙がダウンロードできます。(1)BSE(点字)(2)Word (3)テキストの3つの様式でご用意しておりますので、ご利用下さい。また、電話・FAX・E-mailでもお待ちしております。

 ご応募の際には、応募用紙と推薦文(墨字で1,000字程度)をご提出いただきます。詳細につきましては「応募要項」ならびに「応募方法について」をご覧ください。なお、ご提出いただきました応募書類につきましては返却いたしませんのでご了承ください。ご不明な点などにつきましては、担当の村上までお尋ねください。皆様のご応募をお待ちしております。

【名称】
「チャレンジ賞(男性)」「サフラン賞(女性)」
【対象】
視覚障害のある、いわゆる若い男女で身体障害者手帳所持者。自薦・他薦を問いませんが、職業自立して視覚障害者の文化の向上と福祉の増進に寄与しようとしている人で、気迫と体力と人間味のある人。
【選考と受賞者の決定】
選考は、当センターが委嘱した委員で構成する選考委員会で各受賞者1人を決定し、8月20日までに受賞者に通知すると共に、センター発行の月刊『視覚障害―その研究と情報』と『支援センターだより』で公表し、関係する報道機関などにも関連記事の扱いを依頼します。
【応募期間】
2010年4月1日(木)〜 7月31日(土)消印有効
【表彰】
いずれも賞状と賞金50万円、副賞KGS賞(Braille Memo BM16)を贈ります。
【贈呈式】
2010年10月9日(土)コンサート席上(セシオン杉並)
【選考委員】(50音順)
阿佐光也氏(元日本盲人キリスト教伝道協議会 主事)
榑松武男氏(KGS株式会社 代表取締役社長)
田中徹二氏(日本点字図書館 理事長)
高橋 実 (視覚障害者支援総合センター 理事長)

●これまでの受賞者は次の方々です。 (年齢・職業は受賞当時)
第1回
 チャレンジ賞   渡邊 岳さん(弁護士・36歳)
 サフラン賞    高橋玲子さん(玩具メーカー勤務・35歳)
 *サフラン特別賞 中間直子さん(三療業・40歳)
第2回
 チャレンジ賞   広瀬浩二郎さん(国立民族学博物館研究員・36歳)
 サフラン賞    三宮麻由子さん(外資系通信社勤務、エッセイスト・37歳)
第3回
 チャレンジ賞   川畠成道さん(ヴァイオリニスト・33歳)
 サフラン賞    澤田理絵さん(ソプラノ歌手・31歳)
第4回
 チャレンジ賞   南沢 創さん(公立中学校音楽教諭・33歳)
 サフラン賞    定家陽子さん(JICA勤務・35歳)
第5回
 チャレンジ賞   中根雅文さん(サイバー大学准教授・35歳)
 サフラン賞    青柳まゆみさん(筑波大学非常勤職員・33歳)
第6回
 チャレンジ賞   踊正太郎さん(津軽三味線奏者・31歳)
 サフラン賞    溝上弥生さん(愛知県立名古屋盲学校教諭・38歳)
第7回
 チャレンジ賞   伊藤丈人さん(青山学院大学非常勤講師・31歳)
 サフラン賞    大日方久美子さん(読売新聞東京本社ヘルスキーパー・34歳)

*サフラン特別賞は第1回のみ

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

サイトワールド2010 今年も視覚障害者の期待を担って

近藤 義親

 国内のみならず国際的にもユニークなイベントである視覚障害者向け総合イベント・サイトワールド2010は、今年も11月1日(日本点字制定の日)、2日、3日(文化の日)の会期で、会場もこれまでと同じ、JR総武線・東京メトロ半蔵門線錦糸町駅前のすみだ産業会館(丸井錦糸町店8・9階)にて開催されます。今年で5回目となります。

 サイトワールドは、「触れてみよう、日常サポートから最先端テクノロジーまで」をテーマとして、最先端な技術に触れ、その技術進歩を確認する場であり、多くの方が、新製品や新技術、新サービスをより身近なものとして捉える場ともなっています。

 これは、出展者と来場者により、双方向の交流が実現していることに他なりません。出展者のメーカーの開発技術者やサービス提供者と、ユーザーや来場者との交流は、製品の操作や使い易さについての意見交換があり、サービスの満足度向上のためのアイディア検討など、多岐に亘っており、会場の熱気となっています。

 今年も、これまで以上に熱気あふれる会場となるよう実行委員会で、イベント等の企画を検討中でありますが、特筆すべきイベントとして、WBU(世界盲人連合)のアジア太平洋地域の加盟22カ国の代表団の方々が集まり、「2010年アジア太平洋盲人福祉会議・2010WBUAP中期総会」のシンポジウムが11月1日(月)午後に開催されます。「視覚障害者と情報・通信・技術(ICT)」がシンポジウムのテーマで、サイトワールド展示会場には、将に情報・通信・技術などの最先端のテクノロジーも紹介されており、実りのあるシンポジウムが期待されています。

 この他に、講演会、サイトワールド・アクセシビリティ・フォーラム、ライフサポート学会、特別イベント等を予定しています。どうぞ今年もご期待ください。

 例年通りサイトワールド2010のお知らせパンフレット、ガイドブックの点字版・墨字版(無料)を、準備でき次第、ご希望の方にお送りしますので、事務局 近藤までご連絡ください。

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

センターにご寄付をいただきました!

坂巻 明子

 センターで読み合わせボランティアをしていただいていた甲斐荘光枝さんから、「センターに何かお役に立てることをさせていただきたい」と言っておられる人が知り合いにいるという話がセンターにありました。そして2008年師走よりその話が具体化してきたのです。

 「センターにお力添えをしたい……」と言ってくださったのは浅野偕子さん。ご主人の浅野輔さんはTBSのニュースキャスター等でご活躍された方で、亡くなる少し前には目が見えなくなってしまったとのこと。そういうところから、視覚障害者に何かお力添えをしたいとの話が出てきたわけです。そこで、自分の持っている1877年スタインウエイ社製のスクエアピアノを使って「愛のコンサート」をしようという話が生まれてきたのです。

 今年4月10日(土)、「井口真由子ピアノコンサート2010年」が渋谷の東京電力にあるテプコホールで行われました。井口さんは桐朋学園大学出身のご活躍されているピアニストの方です。今回、クラシックの小品を中心に、1877年のスクエアピアノと現在使用しているグランドピアノの聞き比べということで、1時間ほどのトーク&コンサートが行われました。ホールの8割近くの聴衆(約100名)とともにアットホームな雰囲気でコンサートは行われました。バッハのパルティータ第1番より「前奏曲」、ショパンの「ノクターン作品9の1」、また久石譲の曲なども演奏されました。私はその中でもやはりスクエアピアノで演奏されたバッハが印象的でした。普段使用しているグランドピアノに比べて音の響きが素朴ですから、聴き応えとしては物足りなさを感じますが、小さな音の響きはとても柔らかくまろやかで、デリケートな曲やチェンバロで演奏されるような曲には相性が良いと感じました。

 コンサート終了後、試弾が行われ、私は知り合いと連弾でドヴォルザークの「スラヴ舞曲」と映画音楽から「2人でお茶を」の2曲を弾きました。現在の88鍵より少しだけ高い音の鍵盤の数が少なく、強弱の幅が狭かったので物足りないところもありましたが、柔らかい音色が出しやすく、そこは感動しました。滅多に弾くことのできないピアノに触れることができてとても良い経験になりましたし、私もまたバッハの曲を取り上げて練習してみようと思いました。

 皆さんの温かい善意により、このコンサートでたくさんのご寄付をセンターにいただきました。コンサートのきっかけを作ってくださった甲斐荘さん、スクエアピアノを管理している多摩楽友協会の大庭誠司さんをはじめ会員の皆さま、そして浅野さんには大変感謝しております。

 温かい人たちによってセンターが支えられていることを改めて実感したひとときでした。

[目次に戻る][「センターだより」トップページへ戻る]

[ホームページに戻る]